2007年04月26日

第212回 “残して良いのは足跡だけ”というけれど

「取って良いのは写真だけ残して良いのは足跡だけ」というのはエコツーリズムやグリーンツーリズムが10年ほど前に提唱された時のキャッチフレーズでした。

ブームなると「残して良いのは足跡だけ」では自然に優しくなれないようです。

4月25日(水曜日)の『沖縄タイムス』の夕刊によれば、大宜味村の玉辻山がエコツーリズム人気の高まりで人間の入場によって踏むつけられたことによる草木のダメージと再生のバランスが崩れ、表土がむき出しになっていると報じられています。

大宜味村では苦肉の策として「保全のため立入禁止」の立て看板を設置したそうですが、立入禁止の法的根拠はなく、“エコツーリズム”や“グリーンツーリズム”愛好者の自然保護意識に頼るしかなさそうです。

財団法人沖縄県雇用能力推進機構の機関誌『雇用白書』(2006年版)の「地域ブランド化による新産業創造に向けて」中で沖縄のオンリーワン資源の一つに貴重種や自然環境を指摘し、その利用上の注意で「自然体系に入ることによる破壊と自然蘇生とのバランスを考えなければ財産は失われてしまう」と述べさせていただきました残念ながら予感は的中してしまったようです。

良心に訴えるのも良いでしょうが、より実行力を持たせるには、自然保護教育、法律や条令の整備の他、入場者による環境負荷と蘇生を測定することによる入場者数の特定化、さらには、“エコツーリズム”や“グリーンツーリズム”が地域の経済資源となっている場合には、入場料の算出も必要でしょう。

法律や条令の整備には、議会による審議が必要です。ヤンバルクイナの保護も含め投票に結びつかないためか遅れ気味のようですので、議員さんたちへの陳情等も含めた自然保護活動も必要なのではないかと感じました。


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Posted by 宮平栄治 at 23:14│Comments(0)沖縄経済学
 
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