第178回 「政策には信頼が必要」
政策が上手くいくかどうかにはいくつかの条件が必要です。その条件とは・・・
政府への信頼性、人々の期待、政策に対して国民が具体的行動を行う等々です。最も、これらの条件は、経済の局面で変化しますので、“万能”というわけではありません。
つい最近無くなったフリードマンは、量的に経済をコントロールするよりも、市場が信頼できるようなルールによる政策運営を提唱していました。
さて、加齢とともに失われる所得機会、加齢と共に増える医療費の備えに欠かせない年金の不祥事が相次いでいます。
たとえば、自分の年金が正しいかどうかを社会保険庁に問いただしたところ、約2割に誤りがあったのには驚きでした。
その結果、36万人6,000人の加入者が、年金記録の再調査を請求したそうです。
これらの請求にたいして誠意ある回答を行うのは当然のこととして、ミスの原因説明、再発防止、運用のあり方等の説明を行わなければ、とうてい年金に対する信頼が揺らぐばかりです。
そうなる、加入者に対して動揺を与えるばかりか、未加入者も増大し、年金制度の根幹も揺るがしかねません。
そうなると、“社会保険庁の解体”による仕切り直しだけではこの問題の解決は益々遠のくばかりでしょう。
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