第152回 「日本の総人口0.003%減の意味」

宮平栄治

2006年08月07日 11:48

8月4日(金)、総務省が今年3月末時点の住民基本台帳に基づくわが国の総人口の発表を行いました。

総務省の発表によると、日本の人口は、前年と比べると3,505人(0.003%)の減少。1968年に同調査を開始以来はじめての人口減少で、国勢調査に次いで、本格的な「人口減少時代」の訪れを象徴する発表でした。

詳細は、総務省ホームページ

http://www.soumu.go.jp/c-gyousei/020918.html

をご参照下さい。

さて、日本全体で同じような減少かと言えば、そうでもありません。むしろまだら模様という様相です。少し詳しく見ていくと・・・
沖縄県では、住民の転出入にともなう人口増を意味する社会増加数は、マイナス1,220人と減少したものの、出生者数から志望者数を差し引いた自然増は、プラス7,280人。総計では、プラス6,060人となりました。

好調な観光客数の増加に加え、住民票の移転を伴わない長期滞在者を含めた交流人口を考えると、沖縄県においては人口減少の影響については現実味を感じないかもしれません。

逆に深刻なのが東北各県。人口減少が深刻な社会問題化しつつあるそうです。

8月5日(土)の日本経済新聞と朝日新聞では、人口減対策に取り組む地方公共団体の姿をレポートしています。

日本経済新聞では、次のホームページを

http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20060804c3b0404y04.html

朝日新聞では、次のホームページを

http://www.asahi.com/politics/update/0805/003.html

両紙から取材を受けた、福島県矢祭町では、出産祝い金(沖縄県でも多良間村がおこなっています)や商店スタンプ券で固定資産税などの支払いを認めるなど、人口減少の歯止めと人口増に取り組む姿をレポートしています。

問題解決には、現状と理想とのギャップ、今ある姿と将来の姿からのギャップを認め、そのギャップを克服しようとする取組をいいます。

今、沖縄県では幸いにして人口減少という事態には陥ってはいませんが、このまま推移すれば、日本全体での人口が急速に減少した際、沖縄にも影響が及ぶでしょう。

南の地にあり、恵まれた環境に沖縄はあるわけですが、“その時”になって慌てないようにするためにも、予想される未来について考えてみるのもよいのではないでしょうか。

お盆真っ盛り。ご先祖様達がそのように語りかけているような気がします。
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