2012年09月09日
仙台で考えたこと
金曜日から今日、9月9日まで宮城県の仙台市へ行ってきました。
目的は、仙台市で行われている定禅寺ストリート・ジャズ・フェスティバルの見学と東北支援です。
定禅寺で何を学びにいったのかは、後日、お話しします。
那覇空港から仙台空港の直行便で行きましたが、ご存じのように仙台空港は、津波に被害を受けた空港ですが、一年半も過ぎると、津波による被害の痕跡は、列車からみる限り見当たりませんでした。
さて、9・11は、東日本各地に甚大な被害をもたらし、現在も復興中です。
復興の妨げになっている様々な原因の一つが、福島第一原子力発電所の原子炉損傷による放射能汚染です。
福島第一原子力発電所の被害が、明らかになった直後、原子力発電所全廃への署名活動の運動があり、私へも署名の依頼がありましたが、お断り致しました。
お断りした理由は、大きく三つあります。
第一は、もし、福島第一原子力発電所の原子炉損傷がなければ、核物質にたいする興味関心が原発事故直後のようにあっただろうかという疑問です。
第二は、原子力発電を全廃後の代替エネルギーをどうするのかという現実的問題です。
そして、第三は、原子力発電所を全廃することで、今回の福島第一原子力発電所の事故の問題解決につながるのだろうかという疑問です。
特に第三の課題は、さらに次の4点について明らかにし、私たちと私たちの子孫への教訓にする必要があると思われます。
(1) なぜ多くの人々が原子力発電の安全神話を信じたのか。過去にも、我が国では、土地神話や銀行神話など、根拠のない神話を信じ、解決策が遅れた経緯があります。
(2) 福島第一原子力発電所の事故は防げたのか、防げなかったのかという点です。人間のやることですから完全ではありませんので、事故は起きるという想定で解決策を用意しなければいけません。
(3) 事故が発生した場合、被害を最小限に食い止める方策があったのか、どうか。安全神話にとりつかれていては、事故が起きないという想定で組織が編成されますから、今回のような想定外の大地震で事故が起きた場合、事故後の関係者の困惑と混乱ぶりが想像できます。
(4) いくつかの組織で事故の検証が行われていますが、検証の結果、何が分かり、教訓と課題は何で、その後どうするのかの検討です。
このような神話が崩壊するたびに失敗学の名著である『失敗の本質』を読み返しています。
また、「原発は全廃か、存続か」という二者択一的質問については、政治学の教科書にある、政敵を作ることで、人々の関心を特定の話題へと集中、その裏は、その他の事柄は忘れさせてしまうという教訓を思い起こしています。
今回、原発全廃署名をお断りした背景には、署名の趣意書を読む限り、あまりにも影響力の大きな原発事故だけに、客観的は言うに及ばず、慎重で、冷静に情報を集め、結論を出すべきであるという内容ではなったということです。
目的は、仙台市で行われている定禅寺ストリート・ジャズ・フェスティバルの見学と東北支援です。
定禅寺で何を学びにいったのかは、後日、お話しします。
那覇空港から仙台空港の直行便で行きましたが、ご存じのように仙台空港は、津波に被害を受けた空港ですが、一年半も過ぎると、津波による被害の痕跡は、列車からみる限り見当たりませんでした。
さて、9・11は、東日本各地に甚大な被害をもたらし、現在も復興中です。
復興の妨げになっている様々な原因の一つが、福島第一原子力発電所の原子炉損傷による放射能汚染です。
福島第一原子力発電所の被害が、明らかになった直後、原子力発電所全廃への署名活動の運動があり、私へも署名の依頼がありましたが、お断り致しました。
お断りした理由は、大きく三つあります。
第一は、もし、福島第一原子力発電所の原子炉損傷がなければ、核物質にたいする興味関心が原発事故直後のようにあっただろうかという疑問です。
第二は、原子力発電を全廃後の代替エネルギーをどうするのかという現実的問題です。
そして、第三は、原子力発電所を全廃することで、今回の福島第一原子力発電所の事故の問題解決につながるのだろうかという疑問です。
特に第三の課題は、さらに次の4点について明らかにし、私たちと私たちの子孫への教訓にする必要があると思われます。
(1) なぜ多くの人々が原子力発電の安全神話を信じたのか。過去にも、我が国では、土地神話や銀行神話など、根拠のない神話を信じ、解決策が遅れた経緯があります。
(2) 福島第一原子力発電所の事故は防げたのか、防げなかったのかという点です。人間のやることですから完全ではありませんので、事故は起きるという想定で解決策を用意しなければいけません。
(3) 事故が発生した場合、被害を最小限に食い止める方策があったのか、どうか。安全神話にとりつかれていては、事故が起きないという想定で組織が編成されますから、今回のような想定外の大地震で事故が起きた場合、事故後の関係者の困惑と混乱ぶりが想像できます。
(4) いくつかの組織で事故の検証が行われていますが、検証の結果、何が分かり、教訓と課題は何で、その後どうするのかの検討です。
このような神話が崩壊するたびに失敗学の名著である『失敗の本質』を読み返しています。
また、「原発は全廃か、存続か」という二者択一的質問については、政治学の教科書にある、政敵を作ることで、人々の関心を特定の話題へと集中、その裏は、その他の事柄は忘れさせてしまうという教訓を思い起こしています。
今回、原発全廃署名をお断りした背景には、署名の趣意書を読む限り、あまりにも影響力の大きな原発事故だけに、客観的は言うに及ばず、慎重で、冷静に情報を集め、結論を出すべきであるという内容ではなったということです。
Posted by 宮平栄治 at 20:16│Comments(1)
│沖縄経済学
この記事へのコメント
名桜大学第1期生の者です。放射能汚染は目に見えないから心配ですね。私の職場への依頼者の中にも、関東から汚染が心配で沖縄へ避難されて来た方が多くいらっしゃいます。原発問題も政府の対応が後手後手に回ってもどかしい気がします。宮平先生のような有識者の方々の努力が実ることを、お祈りいたします。
Posted by 仲本千恵美 at 2012年10月04日 14:54