2007年02月11日

第200回 「人口に膾炙(かいしゃ)されるまで」

卒業論文最終発表会では、学生同士での質疑応答の場では、私が質問するよりもシビアであると前回のコラムでは報告しましたが、その続きです。

MNさんの「人財育成としての企業教育のあり方」発表後、投げかけた質問は・・・

「人財育成としての企業教育のあり方」は企業が持続的成長、競争に勝ち抜き、経営が継続するために必要不可欠な要素というのがMNさんの発表の骨子でした。

この文脈から3年生のMGさんは「良い企業とはどのような企業なのか」という極めてシンプルな問いかけでした。

「良い企業とは」と言われてもまだ就職をしていないMNさんには簡単に答えられるような質問ではありません。

卒業論文の限りにおいては、「人財教育が充実している企業」と答えるのが精一杯。

さて、良い企業を考える場合、先ず、消費者からの支持が大前提となります。

では、消費者は、企業の何を支持するのでしょうか。

公害を出さす、消費者が求める財やサービスを、生活に応じた品質で、適正価格で、タイミング良く、適量に市場へ提供するだけでは十分ではありません。

従業員教育はもちろん、従業員の家族が幸福な生活が出来るような賃金の提供、さらには、企業市民としての社会貢献も必要です。

上記のような条件を備えた企業とはどのような企業なのでしょうか。

2月8日(木)は、中小企業家同友会全国協議会主催による第37回中小企業問題全国研究集会が行われました。

全部で18の分科会に全国から2,000名の中小企業の経営者が、宜野湾市のコンベンションセンターを主会場に学びあいました。

私も第17分科会で発表をさせていただいたのですが、他の分科会に「良い企業」に必要な条件が見出されます。

例えば、宮城県の株式会社佐元工務店の佐藤元一氏のタイトルを見ると「建設業は快適生活環境創造企業~経営指針の実践で地域のリーディングカンパニーをめざす~」とありました。

“快適生活環境創造企業”はビジョンであり、経営者や従業員に働く意義や、地域貢献のあり方を示しています。

「良い会社」の条件には、ビジョン、社是、あるいは社訓が優れていることはもちろんのこと、その理念が、従業員の一人一人の口から発せられ、実践されていることではないでしょうか。

いくら素晴らしいビジョン、社是、社訓を掲げても、会社関係者の口々から会社の経営方針が聞けないと、そのビジョンはかけ声倒れになっています。

そして、その会社の経営方針が、人口に膾炙(かいしゃ)されるまでになっている必要もあるでしょう。


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Posted by 宮平栄治 at 19:52│Comments(0)沖縄経済学
 
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