2007年07月26日

第224 京都議定書達成目標を前向き姿勢で

 暑い日が続いています。

 これも地球温暖化の影響かな?と考えてしまいがち・・・。

 おっと、前回のコラムでは、”科学的根拠”がないのになぜ信じるの?という内容でしたネ。

 それはそれとして、今回のコラムは地球温暖化に対する世界的取り組みである京都議定書についてです。

 さて、1997年12月11日、京都市の国立京都国際会館で開かれた地球温暖化防止京都会議(第3回気候変動枠組条約締約国会議、COP3)での議決された京都議定書では、日本は来年、2008年から2012年まで温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減が求められています。

 ところが2005年度の排出量は逆に7.8%増。原因は、バブル崩壊後の失われた10年からようやく回復した日本経済だとされています。

 この事態を受け、7月25日に環境省と経済産業省両省の合同審議会で「京都議定書見直素案」が提出されました。

 この素案の内容を見ると、「排出権取引や環境税導入が見送られた、と読売新聞のホームページは伝えています。詳細は、

  「http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070725i412.htm

 失われた10年から景気が上向いて投資環境が改善されたときですが、経営者としては不安定な景気動向下、なかなか思い切った環境投資への資本投下には二の足を踏むのも理解できます。

 しかし、京都議定書に調印しなかったブッシュ政権下でも、一部の米国企業が、環境問題は避けては通れないとして環境投資へ取り組んだのは世界的潮流。

 BRICsや韓国からの追い上げもある競争下、環境分野で技術革新を達成し、デファクトスタンダードを確立できれば利益確保源の一つになる可能性もあります。

 そういう意味では、環境技術確立のための投資が進まないことは利益確保機会の喪失となるのかもしれません。

 機会喪失も怖いのですが、京都議定書を達成できなかったときの日本製品に対する世界の消費者の目でしょう。

 近頃の中国製品に対する消費者の不信感と中国製品の購入手控えの動きを見聞きするにつれ、京都議定書で国際的約束を守れなかった時の日本製品が国際的に受けるダメージは大きいかもしれません。

 同議定書に盛り込まれた2012年まで温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減という数値は、“美しい国、ニッポン”をつくる上でも重要な指標の一つであるでしょうし、世界が日本を尊敬する行動の一つとなるかもしれません。

 何よりも、せっかく、京都議定書という日本の古都の名を冠にした国際協約、そのお膝元が達成できないとなると洒落ではすまされないでしょう。


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Posted by 宮平栄治 at 06:10│Comments(3)沖縄経済学
この記事へのコメント
安倍さんは、先月のドイツでのサミットで環境問題で日本がイニシアテイブを取って目標合意した! ! ! と大げさに自慢していた。本当に恥ずかしいと思った。ヨーロッパ諸国からすれば、「日本は自分のとこの目標も達成できないのに何を言っているのかね?」と馬鹿にされているんだよな。それを知らないのは多くの日本人、マスコミはそこんとこはあまり報道しなかったから。
日本企業は金で二酸化炭素の排出枠を外国から買ってしのいでいるという現実、金で済ませてはいけない問題。少なくとも世界で尊敬されたいのならね。それなのに誇らしげに演説していた安倍さん、参院選の大敗は当然だという気がするな。 美しい国日本?  何が?

まあ、あまり自虐的になってはいけないので、これから頑張ろう~
Posted by 島田勝也 at 2007年07月31日 12:46
京都議定書も大切だと思いますが、沖縄も深刻な問題に直面して
いるように思えます。
海水温の上昇→海の生態系の変化→沖縄の食文化の変化と
つながり、「食べる」ことの変化の重要性は減ることはないですね。
それぞれが、それぞれの分野で、頑張るしかないですね。
我々の外食産業も一翼を担い、自然回帰への道を切り開く覚悟です。
Posted by だいこんの花広報マンだいこんの花広報マン at 2007年08月08日 22:52
 自然環境問題は、どの国にも災いをもたらしますが、対策となると現在の経済システムでは経済発展を抑制する可能性があるためどうしても及び腰にならざるを得ないのが本音でしょう。

 一国の利害を乗り越えたコンセプトと指導力が求められています。また、我々自身も例えハチドリの滴かもしれませんが地道な努力が必要です。

 そのためには自然からの警告が目に見える前に認識しなければ行けませんが・・・
Posted by 宮平栄治宮平栄治 at 2007年11月03日 17:04
 
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