2007年09月15日

第246回 香りマツタケ、味シメジ

 台風が通過するたびに、風が秋めいてきます。

 秋といえば、収穫の秋・味覚の秋で、秋ならではの食材が店頭を飾りますが今年は異変も・・・

 読売新聞のホームページに「イメージで敬遠され、安くても売れず・・・中国産マツタケ苦戦」という見出しが。

その記事よれば、中国産マツタケが、残留農薬や添加物問題で安くても売れない事態に陥っていると報じています。

 さて、この記事からの教訓は、消費者は単に価格だけで、モノやサービス購入の決定を行っていないこということです。

 沖縄県外向けの沖縄関連の商品、あるいは、沖縄県内の店頭でならぶ品々やサービス価格を見ていると、低価格と大量販売だけでお客様の購買意欲をそそる例が多いように思われます。

 行動経済学や社会心理学の研究では、消費者は、モノやサービスから得られるイメージ、生活シーンにおける消費イメージなどなどの心理的要因によっても購買行動が変わります。

 たとえば、秋の夜長に鍋料理に不可欠な、大根を1本丸ごと98円で販売するのか、あるいは、3分の1ほどの食べきりサイズで58円で販売するかは、その地域の平均世帯数によって変わります。

 平均世帯数が多い地域では、大根1本でも構わないでしょうが、少ない地域では、食べきりサイズの方が売れます。

沖縄県産品のイメージのしっかりとした基盤固め、ターゲット層がどのような生活場面で商品やサービスを利用するかを考え、価格設定や販売個数を決定する必要性を同記事は教えているようです。

 詳細は、次の読売新聞ホームページ

 「http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070915it06

と、友野則男著『行動経済学-経済は「感情」で動いている』(光文社新書 2006年5月)をご覧下さい。


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Posted by 宮平栄治 at 16:30│Comments(0)沖縄経済学
 
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