2007年10月13日

第253回 ファミリー・ビジネスへの影響が心配

 日本は世界でも類を見ないほど老舗が多い国です。

 例えば、神社仏閣の建設を手がける金剛組は、創業が飛鳥時代からですから1400年続いています。

 最近では、光産業創成大学院大学の後藤俊夫教授の研究や野村進氏が『千年、働いてきました-老舗企業大国ニッポン』(角川書店 2006年10月)などで注目を集めるようになってきました。

 老舗の多くが、家族を中心として経営がなされているファミリー・ビジネス(以下ではFBとします)ですが・・・

 創業300年にもなる三重県伊勢市の老舗、「赤福」が冷凍保存し、解凍した日を製造日として出荷、また、原材料名を質量の多い順にしていない点で日本農林規格(JAS法)に基づいて農林水産省から改善を指示されました。

 FBと同族経営は混同されがちですが、FBの経営目的が先祖から受け継いだ暖簾を大事にする長期的視点、長期的な契約を重視する顧客志向、地域あっての商売という地域貢献、そして代々受け継がれる技と承継という意味では異なります。

 今回の一件で、せっかく再評価されつつあるFBに対する誤解が大きくならないか心配です。

 次回以降、折を見てFBについてコメントしたいと考えています。


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Posted by 宮平栄治 at 19:33│Comments(0)沖縄経済学
 
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