2008年05月25日

第315回 雑魚が大魚に化ける?

 時代劇で殺陣の始まりのシーンで、ヒーローが格好良く言う決まり台詞があります。

 「雑魚(ざこ)は引っ込んでいろ!」

 雑魚とは・・・

 国語事典によれば、いろいろと入り交じった魚、小さい魚、地位の低い人、下っ端などなど取るに足りないものごとのたとえで使われるようです。

 ところが、その雑魚、最近では思わぬ“大魚”に化けているとか。

 2008年5月11日(日)琉球新報11面には「県魚全般の競り値上昇 中国の需要急増 雑魚が数十倍の例も」という見出しが躍っていました。

 記事によれば最近の中国の経済発展と魚食ブームマグロなどの高値が、また健康志向で魚、特に白身の需要が拡大しているそうで、そのため「かまぼこ」や「ちくわ」に加え、食卓の魚へも影響が出ているそうです。

 高値で取引されると、漁獲量を増やしたくなるのが人情。

雑魚は、商品価値がなかったため、あるいは水産資源の枯渇を防ぐため海へ放たれ、その後、大きくなった雑魚が産卵や私たちの食卓へ再登場するという暗黙のルールがあります。

 記事にもありましたが、乱獲によって漁業資源の枯渇にならないよう、先人の知恵に耳を傾ける必要がありそうです。


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Posted by 宮平栄治 at 21:03│Comments(1)沖縄経済学
この記事へのコメント
先日は商品価値のある魚を食べながら、
お話できて、楽しかったです。

漁師の「先人の知恵」を
最初に経済学で扱った方は、
「なぜ(ある地域の)漁師の給料は高くないのか」
という問題意識を持っていたそうです。

現在の漁業経済学も
どちらかというと消費者(需要)の側面が
あまり重視されていないので、
その側面分析ができればいいなと
今回のコラムを読んで感じました。

それにしても、魚(と酒)が美味しかったですね。
Posted by 伊佐 at 2008年05月27日 11:54
 
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