2008年06月29日

第323回 県内学生の就職意識に変化と課題あり

 4月から私の4年生ゼミナールは開店休業状態が続いていました。

 開店休業のその理由は・・・

 就職活動や教育実習などで4年生が忙しく、ゼミナールの時間に間に合わないからです。

 そのため、私は3年生の冬期休業や春期休業、さらには夏期休業でゼミナール活動を行い補っています。

 4年生のゼミナールが開店休業の間、学生は上述のように忙しく将来への投資を行っていたわけですが、私は何をしていたかというと、3年生への論文作成指導、自己分析、そして履歴書作成指導です。

 3年生は、4年生のゼミナールへ出席し、4年生の卒業論文報告の聴講や就職活動状況を体感することにしています。

 ところで、就職関連といえば年6月20日(金)の『沖縄タイムス』紙と『琉球新報』紙の第2面に「学生60%県内就職希望 公務員志向11ポイント低下」という記事がありました。

 沖縄総合事務局が19日に発表した「構造的失業(労働条件のミスマッチ等)の改善に向けた基礎調査」をまとめた記事です。

 この調査、今年の1月中旬から2月中旬まで、3889人の学生にアンケートを配布し、1601人が回答、回答率が41.2%ですから学生意識を知る上では信頼性が高い調査といえます。

 調査内容ですが教職員を含めた公務員志望が4年制大学の学生では26.2%となり、5年前と比べ11.5ポイント減、民間企業志望が55.8%で11.5ポイント増という結果になったそうです。

 私が大学へ勤めた頃、学生に将来の職業を尋ねると猫も杓子も“公務員”と言い、民間企業の採用も公務員試験が終了後開始と比べると随分変化したと感じます。

 ちょっと心配なデータもあります。

 たとえば就職地の調査では、県内就職希望者は955人(59.7%)、県外就職希望者は285人(17.8%)と県外就職希望が増えているものの県内就職希望が多いのは変化がありません。

 県内就職を希望するわけは親が反対するそうなのですが、その理由は、①生活費の心配(22.4%)、②一緒に暮らしたい(19.3%)、③就職先への心配(15.8%)、④子離れできない(10.8%)という結果になっています。

 積極的な理由よりも消極的理由という印象を受けます。これも少子化の影響だと考えられますが、時代の趨勢だとしたらこの傾向を積極的に捉える必要もありそうです。

 ちなみに私のゼミナールでは、4年生は8名いますが、3名が東京へ就職することになりました。

 さらに、沖縄県が積極的に誘致を行い、また、雇用者も着実に増えているコールセンターについては回答者の66.7%が就職先として検討していないそうです。

 コールセンターにもさまざまな形態があるのですが、中身については理解できていないようです。

 この点については、業界や沖縄県もグッ・ジョブ運動等で以前よりも積極的にPR活動を展開していますが、メディア媒体、時間、アプローチの方法での課題がありそうです。


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Posted by 宮平栄治 at 20:46│Comments(0)沖縄経済学
 
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