2008年09月14日

第335回 日本のビジネス環境

 9月10日(水曜日)の日本経済新聞ホームページに「ビジネス環境、日本は12位 規制改革に遅れ」という記事がありました。

 内容は・・・

 世界銀行と国際金融公社が世界181カ国と地域を対象に企業活動環境を調査した年次報告書の結果と言うことです。

 詳細は、以下のホームページをご参考下さい。

 「http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080910AT2M1000C10092008.html

 順位はシンガポールが3年連続で1位、2位はニュージーランド、3位は米国、4位は香港、5位はデンマーク、6位は英国、7位はアイルランド、そして8位はカナダで上位8カ国には変動は無かったそうです。

 また、審査の基準は、貿易、納税、事業進出や撤収などの10指標における政府規制に対応する時間と費用、いわゆる、取引費用と埋没費用の比較による順位付けです。

 様々な規制が多い中で国内総生産は、2006年には世界第2位の549兆6306億円(実質)と額だけ見ると頑張っているともいえます。

 さまざまな規制を撤廃し、日本のビジネス環境を向上させると日本が繁栄するかと言えば、単純ではありません。

 先ず考えるべきは、撤廃しなければいけない規制(不必要規制)と残さなければいけない規制(必要規制)の峻別です。

 必要規制とは、市場取引においてルールの無い取引はありません。例えば、度量衡や法律などです。

 このような規制を撤廃すると市場は混乱し、経済・生産活動は縮小する場合もあります。三笠フーズによる汚染米事件は、ルールを守らなかったために様々な余波が広がっています。

 また、法律によらなくても、例えば、証券取引所のように民間が法律という共通ルールの枠内で独自のルールを設けている場合もあります。

 次に重要な点は、当初は必要だったのですが、時代の趨勢と共に不必要規制になってしまった場合です。このようなルールを改正する場合は、そのルールを遵守して何らかの利益を得た経済主体からの反発が出てきます。

 規制撤廃と一言でいっても多くの事柄が関わってきますので、規制を設定する場合にも撤廃することも考えて制度設計を行う必要があります。

 記事にもありますが、日本の場合は、縦割り行政による非ワン・ストップや非24時間化、納税手続きの複雑化など“規制”というよりも行政の運用面の改善が求められているような気がします。


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Posted by 宮平栄治 at 17:14│Comments(0)沖縄経済学
 
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