2008年10月26日

第342回 記事だけでは深層が読み切れません

 東京にいること、毎日のように満員の痛勤電車で1時間から2時間かけて大学院や非常勤講師先に通っていました。

 沖縄から出てきた頃は・・・

苦痛の連続でしたがそのうちに慣れ、結構、読書などで有効に時間が使えるようになりました。

 大学の演習室の後輩に聞くと遠くは静岡から都心の大学まで通学している学生もいたとか。

 交通手段は鉄道ですが、並の東海道線ではなく東海道新幹線だったとか。

さて、10月10日金曜日の『琉球新報』紙第1面に「かりゆし180人失業恐れ とまりん来月撤退 きょう異動通知」という見出しの記事がありました。

 沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハには正社員約140人・パート社員約60人の計約200人が働いているそうですが、11月末の閉館に伴い、人事異動が行われます。

 企業内で事前の意向調査によれば恩納村にある系列ホテルへの異動を希望したのがわずか20人だったとか。

 他の人は那覇市内での雇用を希望しているそうです。

 異動を受け入れられない従業員は退職を選択することになるので、最悪の場合は180人が職を失うことになるというのが記事による報告です。

 この話を東京で働く人が聞いたら「甘えている」「簡単に仕事を手放すとはあきれる」などの声が多そうな気がします。

 現在の住まいがある那覇市近辺から恩納村まで通勤時間は高速道路を使えばせいぜい2時間でしょうか。しかも痛勤電車ではありませんから楽なはず。

 しかし、1時間以上の通勤を経験したことがない人にとっては、2時間の通勤時間はどのように感かを考えてみましょう。

 ましてや子育て真っ最中や介護の必要としている人が身近にいたら、合計4時間、一日24時間の6分の1の時間価値はどの程度になるでしょうか。

 そう考えると那覇での就業希望者が多いのも何となく納得できませんか?

 とはいえこれも推測の範囲ですので真相は調査しないと分かりません。


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Posted by 宮平栄治 at 13:40│Comments(2)沖縄経済学
この記事へのコメント
私も3年前に実施したインターンシップで
似たような経験をしたことがあります。

「白井さんみたいに生まれた時から、電車が時間通りに走っているところで
育っていないから、急に時間を守るように言われても・・・」

最初は 「???」 と思いましたが、「なるほどね!」 と妙に感心したのを
憶えています。
Posted by 白井旬 at 2008年10月27日 00:01
通勤時間に加えて年収の問題だと思います。
東京の正社員並みの年収なら、那覇から恩納村までも通勤するでしょう。もしくは引越しを検討するでしょう。
しかし恩納村を希望しない人はほとんどが非正規社員ということですし、年収は多分150万円前後でしょう。
それなら、那覇で再就職という事になるのだと思います。
あくまでも私の予想ですが。
Posted by ヌーボーヌーボー at 2009年01月09日 23:31
 
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