2004年11月19日
第15回:夜の観光資源としてのライブハウス
11月4日から7日にかけて、中国の三大シンクタンクである上海国際問題研究所から副所長はじめ6名の研究者が来沖され、沖縄と上海の相互交流に関して沖縄県庁はじめ関係者との会議を行いました。
公式訪問は、金曜日(11/5)の午前中で終了し、午後からは首里城などを巡り、観光を兼ねながら、沖縄と中国の歴史的関係を説明しました。兪副所長のご専門が歴史だけあって、明代、清代の古文書、琉球舞踏には関心を抱かれた様子でした。土曜日(11/6)の北部観光終了後、沖縄経済学会との意見交換会および懇親会を行い、二次会は那覇の沖縄民謡ライブハウスでのカチャーシーで沖縄文化をさらにアピールしてまいりました。
さて、ライブハウスといえば、観光案内所のホームページによれば、私の住む街には民謡、ロック、ジャズをはじめ39カ所あるそうです。そのうちのいくつかのライブハウスには、県外からのお客様が来沖された際にはお連れしているのですが、いつも気になるのは県外からの来客数が少ないという点です。
年間500万人、月割りでは約41万7,000人、一日当たりでは、1万4,000人が沖縄を訪問している勘定になります。1万4,000人のうち、沖縄の文化でもあり、夜の観光スポットでもあるライブハウスに10%でも訪問したら1,400人となり、沖縄県内に何カ所のライブハウスがあるか正確な数字は分かりませんが、50カ所として一カ所あたり約28人の計算となります。私が考える理論値と実際に訪れた何カ所かのライブハウスの実数とは差が開きすぎます。
その理由を考えてみましょう。もっともこれからの展開は仮説にすぎません。正確なことを知るためにはホテルの宿泊客やライブハウスを訪れる観光客へのアンケート、一年間を通した来客動向などのデータを収集し、分析してみなければなりませんが・・・。
観光客の沖縄への来訪目的にライブハウスはないのかもしれません。ライブハウスの需要がない理由として、(1)ライブハウスの存在を知らない、(2)ライブハウスがあることは知っているがアクセス手段がない、あるいは、初めて訪れるには冒険的な買い物であり、慎重になる。そして、(3)ライブハウスの存在を知っていても実際に足を運ぶほどの価値がないと判断している、という3点が考えられます。旅行紙やメディアを通じて沖縄文化がPRされている点を考えると、(1)と(3)はどうも考えにくいと思われます。
では、特にリゾートホテルに宿泊する観光客に、夜の新たな観光スポットとしてライブハウスへ足を向かわせるには、どうすればよいかを考えてみましょう。アクセス手段ですが、観光バスの利用者ですと、夜は路線バスも走っていませんので、タクシーの利用となります。タクシー代だけで往復5,000円超の出費になります。レンタカーの利用者ですと、運転者がアルコールを飲まないと仮定した場合、駐車場代の出費で済みますが、たとえば、民謡クラブのようにステージ次第に熱気を帯び、最後にカチャーシーで盛り上がる中、一人ストイックにアルコール抜きは非常につらいと思われます。となると、帰りは運転代行を利用するという確率が高くなりそうです。アクセス代に加えて、一人一人の飲食費が加算されますので、一人当たり、約5,000円程度の出費となりそうです。
次に、ライブハウスに関する情報ですが、印刷媒体だと2ヶ月前の情報ですので、とても生きた情報とはいえません。また、実際に検索してみたのですが、ホームページで情報を提供しているライブハウスはごく少数です。また、その情報も、開店時間、連絡先や場所などが主で、どのような曲を演奏しているのか、リクエストには応じてくれるのかなど初めてライブハウスを訪問したい人が欲しい情報がないというのが実情です。
さて、解決策を考えてみましょう。まず、アクセスですが、リゾートホテルから各ライブハウス向けのシャトルバスを運行してみてはいかがでしょうか。その際、料金は、交通費とライブハウスの入場料を込みで支払う仕組みがよいでしょう。ライブハウスにとってのメリットは、定時にお客様がお見えになるので出演者の手配が容易になり、また、客席がほどよい混み具合になれば演奏にも力が入るというものです。
また、行きの車中では、各ライブハウスから見習い生やボランティアが、簡単な曲の2曲ほど教え、その曲はどこのライブハウスでも演奏し、合唱することで生演奏の臨場感を満喫させるたり、帰りの車中では、各ライブハウスのCDやポスター、あるいは三板などの販売などもあってもよいでしょう。
次に、情報発信ですが、シャトルバスを希望するライブハウスには、ホームページ作成と、毎週更新させることを義務づけます。また、従業員は沖縄風を醸し出す衣装にする演出も義務づけてはいかがでしょうか。
さて、ここが重要な課題ですが、誰が主体となってシャトルバス運行の合意をとるのか、運行を行うのかということです。また、各ライブハウスは自店の運営で精一杯で、ホームページの作成や更新まで手が回らないのが実情です。もし、リゾートホテル、観光客そしてライブハウスの関係者が、上記の提案にご賛同いただけるならば、新たな事業の芽があるのかもしれません。
公式訪問は、金曜日(11/5)の午前中で終了し、午後からは首里城などを巡り、観光を兼ねながら、沖縄と中国の歴史的関係を説明しました。兪副所長のご専門が歴史だけあって、明代、清代の古文書、琉球舞踏には関心を抱かれた様子でした。土曜日(11/6)の北部観光終了後、沖縄経済学会との意見交換会および懇親会を行い、二次会は那覇の沖縄民謡ライブハウスでのカチャーシーで沖縄文化をさらにアピールしてまいりました。
さて、ライブハウスといえば、観光案内所のホームページによれば、私の住む街には民謡、ロック、ジャズをはじめ39カ所あるそうです。そのうちのいくつかのライブハウスには、県外からのお客様が来沖された際にはお連れしているのですが、いつも気になるのは県外からの来客数が少ないという点です。
年間500万人、月割りでは約41万7,000人、一日当たりでは、1万4,000人が沖縄を訪問している勘定になります。1万4,000人のうち、沖縄の文化でもあり、夜の観光スポットでもあるライブハウスに10%でも訪問したら1,400人となり、沖縄県内に何カ所のライブハウスがあるか正確な数字は分かりませんが、50カ所として一カ所あたり約28人の計算となります。私が考える理論値と実際に訪れた何カ所かのライブハウスの実数とは差が開きすぎます。
その理由を考えてみましょう。もっともこれからの展開は仮説にすぎません。正確なことを知るためにはホテルの宿泊客やライブハウスを訪れる観光客へのアンケート、一年間を通した来客動向などのデータを収集し、分析してみなければなりませんが・・・。
観光客の沖縄への来訪目的にライブハウスはないのかもしれません。ライブハウスの需要がない理由として、(1)ライブハウスの存在を知らない、(2)ライブハウスがあることは知っているがアクセス手段がない、あるいは、初めて訪れるには冒険的な買い物であり、慎重になる。そして、(3)ライブハウスの存在を知っていても実際に足を運ぶほどの価値がないと判断している、という3点が考えられます。旅行紙やメディアを通じて沖縄文化がPRされている点を考えると、(1)と(3)はどうも考えにくいと思われます。
では、特にリゾートホテルに宿泊する観光客に、夜の新たな観光スポットとしてライブハウスへ足を向かわせるには、どうすればよいかを考えてみましょう。アクセス手段ですが、観光バスの利用者ですと、夜は路線バスも走っていませんので、タクシーの利用となります。タクシー代だけで往復5,000円超の出費になります。レンタカーの利用者ですと、運転者がアルコールを飲まないと仮定した場合、駐車場代の出費で済みますが、たとえば、民謡クラブのようにステージ次第に熱気を帯び、最後にカチャーシーで盛り上がる中、一人ストイックにアルコール抜きは非常につらいと思われます。となると、帰りは運転代行を利用するという確率が高くなりそうです。アクセス代に加えて、一人一人の飲食費が加算されますので、一人当たり、約5,000円程度の出費となりそうです。
次に、ライブハウスに関する情報ですが、印刷媒体だと2ヶ月前の情報ですので、とても生きた情報とはいえません。また、実際に検索してみたのですが、ホームページで情報を提供しているライブハウスはごく少数です。また、その情報も、開店時間、連絡先や場所などが主で、どのような曲を演奏しているのか、リクエストには応じてくれるのかなど初めてライブハウスを訪問したい人が欲しい情報がないというのが実情です。
さて、解決策を考えてみましょう。まず、アクセスですが、リゾートホテルから各ライブハウス向けのシャトルバスを運行してみてはいかがでしょうか。その際、料金は、交通費とライブハウスの入場料を込みで支払う仕組みがよいでしょう。ライブハウスにとってのメリットは、定時にお客様がお見えになるので出演者の手配が容易になり、また、客席がほどよい混み具合になれば演奏にも力が入るというものです。
また、行きの車中では、各ライブハウスから見習い生やボランティアが、簡単な曲の2曲ほど教え、その曲はどこのライブハウスでも演奏し、合唱することで生演奏の臨場感を満喫させるたり、帰りの車中では、各ライブハウスのCDやポスター、あるいは三板などの販売などもあってもよいでしょう。
次に、情報発信ですが、シャトルバスを希望するライブハウスには、ホームページ作成と、毎週更新させることを義務づけます。また、従業員は沖縄風を醸し出す衣装にする演出も義務づけてはいかがでしょうか。
さて、ここが重要な課題ですが、誰が主体となってシャトルバス運行の合意をとるのか、運行を行うのかということです。また、各ライブハウスは自店の運営で精一杯で、ホームページの作成や更新まで手が回らないのが実情です。もし、リゾートホテル、観光客そしてライブハウスの関係者が、上記の提案にご賛同いただけるならば、新たな事業の芽があるのかもしれません。
Posted by 宮平栄治 at 00:00│Comments(0)
│沖縄経済学