2005年05月26日
第40回「投資効果の行方」
~ BIG3の凋落とエアバス社とボーイング社 ~
4月28日の朝日新聞ホームページには、フランスで27日午前、エアバス社の超大型・総二階建て機「A380」が、本社工場があるフランス・ツールーズの空港から初の試験飛行に飛び立った記事が掲載されていました。同機は、座席数が標準で555席、チャーター仕様で800席を超す全長73メートル、翼長80メートルという巨大機で、すでに15社の航空会社から154機を受注し、2006年半ばにシンガポール航空などが就航させる予定だといいます。
このA380には1995年から107億ユーロ、円換算で約1兆5,000億円が投じられており、エアバス社の社運がかかっていると述べても過言ではないでしょう。ライバル会社のボーイング社は、大型機の将来性には懐疑的で、燃費と航続距離を重視した中型機に力を入れているそうで、両者の投資戦略は異なっており、将来、両社の経営状況がどのようになるかに目が離せません。
かつて、私が中学生の頃は、石油はセブンシスターズ、自動車といえば、ジェネラル・モータース、フォードそしてクライスラーというアメリカの大手自動車メーカーがBIG3、そして自動車、ハンバーガーそして、コーラーがアメリカ文明の代表といわれていた時代もありましたが、5月6日(金曜日)、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、アメリカの自動車メーカー、ジェネラル・モータースとフォードの長期債格付けをこれまでの投資と適格として最低水準である「トリプルBマイナス」から、フォードは一段階下の「ダブルBプラス」へ、ジェネラル・モータースは二段階下の「ダブルB」に引き下げてしまいました。
理由は、ガソリン価格の高騰によるSUV車(スポーツ多目的車:Support Utility Vehicle)の販売不振、日本車メーカーとの競争、医療費高騰などですが、トヨタ、ホンダがハイブリッド車や燃料電池車にいち早く投資を行いアメリカで着実な売上を記録しているのは対照的です。1980年代に日本からの集中豪雨的な輸出によって、デトロイトを中心に日本車排斥運動が展開された苦い経験を想起したのか、奥田顕日本経済団体連合会会長が、ジェネラル・モータースとフォード技術の提携や日本車の高価格政策をほのめかす事態にまで至ったのは記憶に新しいことですね。これも過去における投資戦略の違いが現在に現れた結果です。
さて、エアバス社とボーイング社の投資戦略を考えてみましょう。BRICs(Brazil、 Russia、 IndiaそしてChinaと人口が2億人以上で経済発展の著しい国々)の経済発展によってここ当面は原油価格の高値水準が予想されますので、その点ではボーイング社の戦略が有利なように思われます。経済発展が著しいということは同時に移動手段としての航空機需要も拡大や新規参入の拡大も考えられます。機材は新機や中古機で調達することはできますが、パイロットや整備士は一朝一夕には要請できないためパイロット不足の事態が生じています。そうなると、パイロット一名あたりの効率からエアバス社の大型機の需要も堅調だと予想されます。ただ、大型機の導入は、事故による損害も大きくなり、その負担力を企業が有しているか否かもかんがえなければなりません。一説によれば、将来は万が一に備えて、航空機に緊急用のパラシュートを用意する案もあるとか。いずれにしても結果は、当分先ですから、どのシナリオが妥当するかは、半年後や一年後に検証してみましょう。
さて、緊急用パラシュートが標準装備される間、事故を未然に防ぐという意味での国際的、国内的および自社のメンテナンスの強化、万が一に備えての保険の強化も必要でしょうし、そうなると、メンテナンス産業や保険産業も今後の注目の成長分野でもあります。
4月28日の朝日新聞ホームページには、フランスで27日午前、エアバス社の超大型・総二階建て機「A380」が、本社工場があるフランス・ツールーズの空港から初の試験飛行に飛び立った記事が掲載されていました。同機は、座席数が標準で555席、チャーター仕様で800席を超す全長73メートル、翼長80メートルという巨大機で、すでに15社の航空会社から154機を受注し、2006年半ばにシンガポール航空などが就航させる予定だといいます。
このA380には1995年から107億ユーロ、円換算で約1兆5,000億円が投じられており、エアバス社の社運がかかっていると述べても過言ではないでしょう。ライバル会社のボーイング社は、大型機の将来性には懐疑的で、燃費と航続距離を重視した中型機に力を入れているそうで、両者の投資戦略は異なっており、将来、両社の経営状況がどのようになるかに目が離せません。
かつて、私が中学生の頃は、石油はセブンシスターズ、自動車といえば、ジェネラル・モータース、フォードそしてクライスラーというアメリカの大手自動車メーカーがBIG3、そして自動車、ハンバーガーそして、コーラーがアメリカ文明の代表といわれていた時代もありましたが、5月6日(金曜日)、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、アメリカの自動車メーカー、ジェネラル・モータースとフォードの長期債格付けをこれまでの投資と適格として最低水準である「トリプルBマイナス」から、フォードは一段階下の「ダブルBプラス」へ、ジェネラル・モータースは二段階下の「ダブルB」に引き下げてしまいました。
理由は、ガソリン価格の高騰によるSUV車(スポーツ多目的車:Support Utility Vehicle)の販売不振、日本車メーカーとの競争、医療費高騰などですが、トヨタ、ホンダがハイブリッド車や燃料電池車にいち早く投資を行いアメリカで着実な売上を記録しているのは対照的です。1980年代に日本からの集中豪雨的な輸出によって、デトロイトを中心に日本車排斥運動が展開された苦い経験を想起したのか、奥田顕日本経済団体連合会会長が、ジェネラル・モータースとフォード技術の提携や日本車の高価格政策をほのめかす事態にまで至ったのは記憶に新しいことですね。これも過去における投資戦略の違いが現在に現れた結果です。
さて、エアバス社とボーイング社の投資戦略を考えてみましょう。BRICs(Brazil、 Russia、 IndiaそしてChinaと人口が2億人以上で経済発展の著しい国々)の経済発展によってここ当面は原油価格の高値水準が予想されますので、その点ではボーイング社の戦略が有利なように思われます。経済発展が著しいということは同時に移動手段としての航空機需要も拡大や新規参入の拡大も考えられます。機材は新機や中古機で調達することはできますが、パイロットや整備士は一朝一夕には要請できないためパイロット不足の事態が生じています。そうなると、パイロット一名あたりの効率からエアバス社の大型機の需要も堅調だと予想されます。ただ、大型機の導入は、事故による損害も大きくなり、その負担力を企業が有しているか否かもかんがえなければなりません。一説によれば、将来は万が一に備えて、航空機に緊急用のパラシュートを用意する案もあるとか。いずれにしても結果は、当分先ですから、どのシナリオが妥当するかは、半年後や一年後に検証してみましょう。
さて、緊急用パラシュートが標準装備される間、事故を未然に防ぐという意味での国際的、国内的および自社のメンテナンスの強化、万が一に備えての保険の強化も必要でしょうし、そうなると、メンテナンス産業や保険産業も今後の注目の成長分野でもあります。
Posted by 宮平栄治 at 11:06│Comments(0)
│沖縄経済学