2005年09月12日
第61回「衆議院総選挙と株価」
総選挙の結果は皆さんの想定内だったでしょうか、それとも想定外だったでしょうか。
さて、9月9日(金)のコラムでは、これまでの総選挙と株価の関係を経験則で述べると、選挙の前の週の金曜日には日経平均株価は上昇し、結果が判明した月曜日には下落していると述べましたが、今回の第44回衆議院総選挙では、この経験則がはずれました。
今日、9月12日の日経平均は、終値で9月9日(金)に更新した最高値を204円39銭高の1万2,896円43銭で取引を終えました。また売買高も9日の30億3,846万株には及びませんでしたが、22億3,530万株という大商いでした。
株価、出来高とも高水準で推移した背景として、昨日の総選挙で自民党が296議席を獲得し、公明党とあわせ、与党で全議席480議席の3分の2を超える227議席と歴史的大勝利となったことから郵政民営化が可決され、日本の構造改革が加速するという期待。
また、12日に内閣府が発表した2005年の4-6月期の国内総生産(GDP)改定値が、実質で0.8%増、年率換算すると3.3%増と上方修正され、日本経済の回復を裏付けたことによる安心感があります。
それにしても、自民党の地滑り的勝利は、何が勝因だったのでしょうか。さまざまな政治評論家や識者が述べていますが、私も折角ですから経済学的にコメントを。
分かりやすい論法、郵政民営化=改革にについて単純明快に「YesかNoか」かと言われると多くの人は、Yesと応えるでしょう。
また、人々の関心を引きつける手法も「小泉劇場」と呼ばれていますが、郵政民営化反対議員の選挙区に話題性溢れる対立候補を擁立し、それをマスコミが“注目の選挙区”と称して連日取材し、関心を引き付けておいて、その後、小泉総理とその他の党首のコメント。
小泉総理は、「(小さな改革である)郵政民営化ができないのに大きな改革はできない」という説得力あるメッセージに加え、「改革を止めるな」という前向きな言葉。
それに対して、野党の方は、せっかく「失われた10年」から景気に明るい兆しが見えてきたのに「日本をあきらめない」やら、本当に政権を担う気があるのかと思われるような「確かな野党が必要」というキャッチフレーズ。
さて、皆さんでしたらどちらの政党に投票するでしょうか?社会心理学者や舞台演出家の存在が見え隠れしますが。
明るい兆しが見え始め、暗いニュースから明るい話題を渇望する人々に、自民党へのパブリシティ効果を用いた情報量に、“刺客”という話題性とさまざまな刺客で少しずつ変化を持たせ、飽きさせず、そして、“改革”というチョット努力すれば何とかなりそうだ、という憧れをもたせるという自民党の巧みな選挙戦略と戦術です。
そればかりではありません。次の手を打っているような気配があります。大勝したにもかかわらず、早くも来年9月の自由民主党総裁任期終了後の自らの去就について、総裁や総理を務めるつもりはない表明。総理として意欲をもつ人の切磋琢磨を促しています。
また、今回の選挙で見逃せない点もいくつかあります。それは、大都市圏の小選挙区で自民党が大勝したことです。これは、自民党の基礎票=地方、あるいは、民主党の基礎票=大都市圏という投票行動が大きく構造転換ばかりでなく、大都市圏の税金で地方の公共財建設をすすめるという財政のあり方の変化の変化を意味しているかもしれません。それは、地域の経済的自立、地域産業の育成への育成を示唆している可能性もあります。
期待を込めてこれだけ多くの国民が与党へ投票したのですから、どのような政策を行うのか監視しなくてはいけません。何しろ、日本人は忘れぽいの国民性があるものですから。
ところで、あれだけ騒がしく議論した「日本の常任理事国入り」の話はどうなってしまったのでしょうか?
さて、9月9日(金)のコラムでは、これまでの総選挙と株価の関係を経験則で述べると、選挙の前の週の金曜日には日経平均株価は上昇し、結果が判明した月曜日には下落していると述べましたが、今回の第44回衆議院総選挙では、この経験則がはずれました。
今日、9月12日の日経平均は、終値で9月9日(金)に更新した最高値を204円39銭高の1万2,896円43銭で取引を終えました。また売買高も9日の30億3,846万株には及びませんでしたが、22億3,530万株という大商いでした。
株価、出来高とも高水準で推移した背景として、昨日の総選挙で自民党が296議席を獲得し、公明党とあわせ、与党で全議席480議席の3分の2を超える227議席と歴史的大勝利となったことから郵政民営化が可決され、日本の構造改革が加速するという期待。
また、12日に内閣府が発表した2005年の4-6月期の国内総生産(GDP)改定値が、実質で0.8%増、年率換算すると3.3%増と上方修正され、日本経済の回復を裏付けたことによる安心感があります。
それにしても、自民党の地滑り的勝利は、何が勝因だったのでしょうか。さまざまな政治評論家や識者が述べていますが、私も折角ですから経済学的にコメントを。
分かりやすい論法、郵政民営化=改革にについて単純明快に「YesかNoか」かと言われると多くの人は、Yesと応えるでしょう。
また、人々の関心を引きつける手法も「小泉劇場」と呼ばれていますが、郵政民営化反対議員の選挙区に話題性溢れる対立候補を擁立し、それをマスコミが“注目の選挙区”と称して連日取材し、関心を引き付けておいて、その後、小泉総理とその他の党首のコメント。
小泉総理は、「(小さな改革である)郵政民営化ができないのに大きな改革はできない」という説得力あるメッセージに加え、「改革を止めるな」という前向きな言葉。
それに対して、野党の方は、せっかく「失われた10年」から景気に明るい兆しが見えてきたのに「日本をあきらめない」やら、本当に政権を担う気があるのかと思われるような「確かな野党が必要」というキャッチフレーズ。
さて、皆さんでしたらどちらの政党に投票するでしょうか?社会心理学者や舞台演出家の存在が見え隠れしますが。
明るい兆しが見え始め、暗いニュースから明るい話題を渇望する人々に、自民党へのパブリシティ効果を用いた情報量に、“刺客”という話題性とさまざまな刺客で少しずつ変化を持たせ、飽きさせず、そして、“改革”というチョット努力すれば何とかなりそうだ、という憧れをもたせるという自民党の巧みな選挙戦略と戦術です。
そればかりではありません。次の手を打っているような気配があります。大勝したにもかかわらず、早くも来年9月の自由民主党総裁任期終了後の自らの去就について、総裁や総理を務めるつもりはない表明。総理として意欲をもつ人の切磋琢磨を促しています。
また、今回の選挙で見逃せない点もいくつかあります。それは、大都市圏の小選挙区で自民党が大勝したことです。これは、自民党の基礎票=地方、あるいは、民主党の基礎票=大都市圏という投票行動が大きく構造転換ばかりでなく、大都市圏の税金で地方の公共財建設をすすめるという財政のあり方の変化の変化を意味しているかもしれません。それは、地域の経済的自立、地域産業の育成への育成を示唆している可能性もあります。
期待を込めてこれだけ多くの国民が与党へ投票したのですから、どのような政策を行うのか監視しなくてはいけません。何しろ、日本人は忘れぽいの国民性があるものですから。
ところで、あれだけ騒がしく議論した「日本の常任理事国入り」の話はどうなってしまったのでしょうか?
Posted by 宮平栄治 at 23:26│Comments(0)
│沖縄経済学