2005年11月29日

第90回 「団塊世代を魅了する要素盛りだくさんの沖縄」

11月26日(土)の13:30から沖縄産業支援センターで、株式会社博報堂エルダービジネス推進室長の坂本節郎さんの『「団塊の世代」マーケットについて』という講演を拝聴する機会を得ました。

ご承知かと思いますが坂本さんは、団塊世代マーケットの第一人者で、内容は団塊世代の特徴、沖縄における可能性を中心に、パワーポイントで119枚、時間にして約2時間という実に濃い内容の講演会でした。今日はその講演について私が感じた事柄を御報告させて頂きます。

団塊世代は、子育てが終わっているので金持ちであり、2007年から定年を迎え始めますので時間もあることから、“金時持ち”ともいわれています。また、人口も2000年に実施された国勢調査では696万人、1944年から1946年生まれよりも人口規模が1.47倍上回るためかなりの購買力を持ちます。

1950年代に若者文化を花開かせた世代、滅私奉公ではなく“私生活重視”を唱えたはじめての世代、グループサウンド、フォークソング、ビートルズ、ジーンズなど若者文化を花開かせた世代でもあります。

その世代が2007年に次々と定年を迎えるわけですから、新たな市場が、しかも、世界に先駆けて誕生しようとしています。つまり、この世代への新たなビジネスモデルは、どこにも存在しないわけですから、ここで団塊世代マーケティングのパラダイムを構築できれば、これから高齢化社会や高齢社会を迎える諸先進国や中国のエルダーマーケットへも応用できるわけです。

では、ヒントが全く無いわけではありません。坂本さんのセンスでは、沖縄には団塊世代市場への優れた材料が存在しているものの、ビジネスモデル化されていないと指摘していました。

たとえば、沖縄は、すでにエルダー先進県という点です。その要素として年長者を敬う風土、音楽や踊りを楽しむ要素があります。

また、団塊世代が憧れたアメリカ音楽も“紫”や“コンディション・グリーン”など本場のロックに負けないグループが団塊世代の若い頃から今でも活躍し、しかも、ベトナム戦争という時代背景が醸し出すストリー性、また、坂本龍一氏、宮沢和史氏、桑田佳祐氏など日本の団塊世代に近い音楽家も沖縄のサウンドに注目した点や、さらに、“ビギイン”、“モンゴル800”、夏川りみなど新たな音楽の潮流の存在という憧れ的要素もあります。

さらに、団塊世代が定年後、一人で、夫婦で、あるいは仲間で行いたい事の一つとして、国内旅行と海外旅行が上位にランキングされていることは、沖縄は、両方の要素が楽しめる地域でもあり、あとはどのように売り出すかというマーケティングの構築が必要だということです。

以上のように沖縄には団塊世代マーケティングの要素が盛りだくさん。次回は団塊世代マーケティングについての特徴を御報告致します。


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Posted by 宮平栄治 at 14:48│Comments(0)沖縄経済学
 
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