2006年02月21日

第115回 「来春の新規学卒者就職市場はバブルの再来か」

2月13日(月曜日)~2月17日(金曜日)にかけて東京の合同企業説明会へ参加したゼミ生が戻ってきました。参加した学生は、東京の学生も沖縄の学生も現時点ではそれほど差が無いという印象だったようです。

しかし、その後の就職活動量と意欲の相違が、就職率の差になりますので、周りだけを見て判断しないようにと学生を戒めています。また、私自身2月20日(月曜日)、来年3月卒業予定の大学生や専門学校生を対象にしたチャイルドフッド社と毎日コミュニケーションズ共催による合同企業説明会「Promo」を見学しました。

昨年から始めたこの「Promo」事業。今年からは参加企業数、訪問する学生数も増え、各ブースの採用担当者は将来有望な学生確保に自社の売り込みに声をからしていました。

新聞報道にもありましたが、景気回復、来年から始まる団塊世代の大量退職、また、失われた10年で手控えられた採用のあおりを受け、来春の新規学卒者就職市場は、企業側の厳選採用は変わらないものの、学生側にとっては久しぶりの買い手市場となりそうです。

そのためか、学生側にゆとりがあるといえば聞こえはいいのですが、緊張感の足りない学生の姿もチラホラ。

人事担当者のサポートと、一人でもいい後輩をGetしようとすでに内定が決定している私のゼミ生も会場に二人応援に駆けつけていましたが、彼女たちが見た今年の学生評かについてコメントを拝借すると・・・

去年は、我先に一番前の席に陣取ろうとしたけれども、今年は特等席なのに席の譲り合いがあり、就職への本気度が疑われるような光景もあったようです。

また、事前に質問内容を考え、担当者の説明が終わるやいなや手を挙げて質問したが、今年は促されてようやく質問が出るという消極性がみられるそうです。

さらに、パンフレットだけをもらい、担当者や今年採用された学生から会社概要について説明を拝聴し、生きた情報収集を行わない学生もいたとか。

就職活動で講義を欠席した場合ある学校では、担当者に就職説明会へ参加した証明に担当者の署名・捺印の書類があれば欠席扱いされないとかで、企業担当者ではなく、採用内定者に学生に署名・捺印を求め、そのような立場にないと断ると、「どうせバレないですよ」と言ってのけた学生もいたとか。

一部の人事担当者からは、今年の新規学卒者就職市場は「バブル期のような雰囲気」という声も聞かれるほどの状況です。さて、どうもチョット良くなると浮つくのがわが国の国民性であると今年の日本経済新聞の元旦号にありましたが、学生、教育機関、そして企業にお願いしたいことがあります。

学生には、その企業で何をやりたいのか、また、なぜ、その企業でその活動をやりたいのかを今一度自問自答して頂きたい。それから、5年後、10年後の働いている自分をイメージして頂きたい。

大学や専門学校の教育機関においては、学生本人の興味度や自己分析を把握させることは当然のこととして、就職は、社会と学生をつなげる架け橋であると同時に、本人のみならず、社会をよりよくするための社会経済活動であるという職業観を認識させる必要があるでしょう。

企業側には、量の確保を焦る余り、バブルの頃のように青田買いや内定者をハワイ旅行や宴会などで接待漬けを行わず、長期的視点に立った人事政策を行ってほしいと願っています。


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Posted by 宮平栄治 at 18:00│Comments(0)沖縄経済学
 
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