2006年08月17日

第155回 「新しいもの好きの団塊世代と沖縄の微妙な関係」

「団塊世代は新しいもの好き」というタイトルの記事が、8月16日の朝日新聞ホームページに記載されていました。

詳細は次のホームページをご参考下さい。

http://www.asahi.com/life/update/0816/002.html

さて、この記事を読んでスッキリとしませんでした。その理由は・・・

国土交通省宗郷政策局旅行振興課が、2006年3月に行った「高齢者ニーズに対応した質の高い観光・リゾート地の形成等方策に関する調査」の中の調査項目で気になる数値があります。

団塊世代で、沖縄を訪れた経験が無い人の割合が73%。つまり、約4名中3名の割合となります。

朝日新聞の「新しいもの好き」というタイトル記事から、「さぞ、多くの団塊世代の方々が沖縄へ行きたがっているだろう」と推測されますが、「ぜひ沖縄へ行ってみたい」割合は25%。ちなみに、同じ質問を1999年にも行っていますが、その当時は37%という数値です。

つまり、加齢とともに沖縄への訪問意欲は萎えているという結果になっています。

朝日新聞の記事のアンケートを行った人と、国土交通省がアンケートを行った人とでは対象者が異なりますので、割り引いて考えなければいけませんが、気になる数値です。

対策を考えてみましょう。

国土交通省の調査に戻りと、まだ沖縄を訪れたことがない人が、73%いるわけですから市場的には大きな母数といえますので見逃す手はありません。

では、対策は、不満を除去すること、はじめての人が沖縄を訪れやすい環境を整備することから考えていきますと、沖縄旅行の不満項目は、①観光情報と②料理。

観光情報に関しては、さまざまな情報媒体がありますが、最近、注目されているのが口コミと地元の人々が好んで行く店、酒場、行楽地など隠れた情報。

高齢者でも団塊世代でも、同行者から誘いや知人から推薦が決め手となって沖縄を訪れる、という傾向が現れています。

地道な対策となりますが、最初に訪れる人の期待を裏切らない観光地、商品作りや、沖縄の地元の人の穴場情報の掘り起こしが必要でしょう。

そのためには、沖縄の人自身が沖縄を知らなければいけませんネ。


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Posted by 宮平栄治 at 23:01│Comments(1)沖縄経済学
この記事へのコメント
>そのためには、沖縄の人自身が沖縄を知らなければいけませんネ。

全く同感です。

沖縄の良さ・すばらしさは沖縄にずっといるとわかりません。泡盛ソムリエの試験でも他のお酒を勉強するとか・・・。

自分が暮らしているとその良さ・すばらしさを見失いがちになりますね。
Posted by 白井 旬 at 2006年08月21日 12:01
 
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