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Posted by TI-DA at

2005年10月30日

第78回「起業家にやる気を起こさせる税と社会システム」

あるやり手の社長さんと会食会の機会を得ました。話は、教育問題、最近のエイサー・ブームと沖縄の観光開発、不動産取引から社長業とは何かまで多岐に及びました。

会食会も終盤に迫った頃、その社長さんが「法人税と法人事業税がもう少し低かったら、もっと事業を拡大し、儲かり、納税や寄付もできるのだが」と嘆いていました。

日本の企業への課税は、国が徴収する法人税、都道府県が徴収する法人事業税がありますが、政府税制調査会では他の先進国に比べて法人税と法人事業税を合わせた実効税率は、ほぼ同じで、また、日本と諸外国を比べた場合、金額という測定可能なもの以外にも、たとえば、社宅や保養施設など従業員の働く意欲を喚起するための施設にかかる費用である法定外福利厚生費などがあり、一概に比較はできないとしています。

総務省は、資本金別の法人税負担率を推計し、アメリカとの比較を行っています。それによりますと、日本の場合、いずれの資本金階級においても25%前後から33%であるのに対して、アメリカは、100万ドル~500万ドルまでは19%程度、そらからなだらかに上昇し、500万ドル以上からは35%と一定しおり、資本金規模による税負担の格差を指摘しています。  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 20:08Comments(0)沖縄経済学

2005年10月27日

第77回「地域ブランド再考」

やっと熱帯夜や真夏日から解放され、朝夕は少し秋らしくなった今日この頃。心地よい季節とともに、食欲の方も増し、ズボンが少し窮屈になったように感じられます。

秋の味覚もさまざまですが、松茸ももちろんですが、秋刀魚、鱸や鰯などの魚類にどうも食指が動きます。

さて、魚というと関鯖や関鰺が有名ですね。大分県の旧佐賀関町(現在は平成17年1月1日に大分市や野津原町と合併し、大分市の一部)の地域ブランドですが、関鯖・関鰺定食で2,100円と、普段、私が頂いている定食の約3倍の価格です。

そんな中、先日、沖縄国際大学の産業研究所から「沖縄県産品のブランド形成とその課題―大型量販店の視点から―」という演目の研究会開催の案内文を頂きました。講師は、株式会社伊勢丹統括部食品営業部営業商品担当マネージャーの野口正幸氏で、11月1日(火)の午後1時30分より、同大学の大学図書館4階AVホールで開催されるそうです(詳細は沖縄国際大学産業総合研究所 098-893-7881へお問い合わせ下さい)。

さて、この研究会の内容を案内文に記載された概要から要点をまとめますと  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 12:50Comments(0)沖縄経済学

2005年10月19日

第76回「冷静な頭脳でありながら温かな心」

村上ファンドによる阪神電鉄の筆頭株主が口火を切った形になりましたが、昨年のライブドアとフジテレビに続き、今年は楽天が、メディア融合という名目でTBSの株を購入、業務提携の打診が連日報じられています。デジタル放送やインターネットなどハードの面が整備されるとどうしてもソフト面の充実が、メディアの競争優位に差が表出しますので、地上波系とネット系のメディア融合は避けて通れないのでしょう。

毎週、火曜日の3年生のゼミナールでは、ゼミ生が一週間の新聞報道の中から、各自が気になるニュースを報告して、ゼミ生ともどもその内容を相互に議論しあっています。およそ経済や経営のゼミとの関連性がないような私のゼミ運営です。

さて、村上ファンドと阪神電鉄、そして、楽天とTBSについては否応なしに他の人も論じるはずですので、今日は、私のゼミで話題になった内容をご報告致します。  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 23:18Comments(0)沖縄経済学

2005年10月10日

第75回「自分探しと自己分析」

人生における3つの重要な出会いとして、良き師に出会う事、良き伴侶に巡り会い、琴瑟相和す事、そして、良き職を得る事と言われています。

本学では、夏季休暇明け早々の10月8日(土)、3年生対象の就職・進学セミナーを半日費やし実施しました。「早すぎるのでは」と考える人もいらっしゃると思いますが、就職活動は、年明け早々から合同企業説明会やら、会社訪問が始まり、早い企業ではゴールデンウィークあたりに早速と内定を出す企業も。

新規学卒者就職市場は、景気回復の追い風で順調ですが、企業側の採用方針は、早期実施、厳選採用です。送り出す側もそれ相応に対応しませんとせっかくの人財をフリーターやニートにしてしまいます。  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 17:34Comments(1)沖縄経済学

2005年10月05日

第74回「応用重視の教育は実践力へとつながるか」

後期も始まり、日焼けした学生たちがキャンパスに戻ってきました。今期も毎週一回のアチーブメント・テストで学生をビシビシとしごいてやろうと、指の間接をポキポキ鳴らしながら教室へ向かう毎日です。

さて、今からちょうど2年前、アメリカ国務省のInternational Visitor Program(現在はInternational Visitor Leadership Programと名称が変わりました)で4週間、9州の18のコミュニティ・カレッジ(日本の短期大学や職業訓練校に相当)からMITやハーバード大などの教育・研究基金システムを見学する機会を得ました。

日本では、応用を重視した大学教育が実践力となるという考えからか、教養基礎科目への関心が希薄なように感じられます。たとえば、かつては存在した教養部がすっかりなくなってしまいました。今日は、アメリカの大学教育の実情について述べ、ニューヨーク州立大学クーインズ・カレッジとモンタナ州立大学での大学教員へのインタビューから、日本の大学教育の課題について考えることにいたします。  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 22:47Comments(2)沖縄経済学

2005年10月03日

第73回「インターンシップ狂想曲第五番 伝えることの難しさ」

インターンシップは、学生を受け入れて下さる企業や行政機関との協力関係で成り立つわけですが、その際、重要なことは、受け入れ先と教育機関でどのような役割分担を行うかを明確にする必要があります。

残念ながら沖縄では、たとえば、教育実習のように大学間を横断するようなインターンシップの協議会などはありません。そのため、大学によっては、卒業論文を書く代わりにインターンシップの実施、あるいは、守秘義務等のように社会人として当然の法蓮遵守教育を行わないまま学生を実習先に丸投げしている所もあるようです。

それはそれとして。さて、受け入れ先と教育機関でインターンシップの教育内容をどのようにするか、あるいは、どのような補完関係が望ましいかという講演会へパネラーとして出席した時の事です。  続きを読む


Posted by 宮平栄治 at 13:26Comments(0)沖縄経済学