2006年10月13日

第171回 「ニセコ町の事務システム」

前回の本コラムでは、北海道伊達市がなぜ、道内で移住人口が増加しているのか、について行政のソフトパワー、そして行政と経済団体との関連について述べました。

今回は、地方行政担当者が一度は訪問したいと考えているニセコ町にお邪魔した時の内容をご報告いたします。

ニセコ町では、“まちづくり”のあり方ももちろん、非常に参考になりましたが、今日は事務のシステム化の組織に与えるインパクトについて私の考えを述べさせていただきます。

ニセコ町の“まちづくり”については次回の本コラムでご紹介いたします。

また、伊達市やニセコ町が、なぜ、全国でも“まちづくり”の先進地になぜなり得たかの歴史的背景についても、後日、触れさせていただきます。

話をニセコ町訪問に戻り、ニセコ町では、各種文書をフォルダー化し、どこに、どのような文書があるか、について全職員のコンピュータで検索することが可能となっていました。

この文書システムの優れている点は、職員が人事異動で異なる部署に移動しても、前任者から引き継いだ後任の職員が業務を滞りなく遂行できるという点。

システム化以前の職場では、どこにどのような文書や仕掛けがあるかを個人の経験ベースで行っていた場合、「あの手続きならAさんに聞け」とか、長が~く一部署に居続けて“お局化”した人が君臨する事態が生じがち。

その人が、優しく教えてくれるなら良いのですが、「ワシがいなければ仕事にならない」と気付き、職場内の政治活動に発展すると、派閥争いが勃発し、上司は、組織のあり方、行政では住民サービスに知恵を振り絞るよりも、職場内の奇妙な人間関係作りに腐心することにもなりかねません。

システム化されることで、上述のような事態が避けられ、組織本来の目的、たとえば、市町村役場では、限られた予算で、地域住民が必要としている行政サービスをどのように提供できるかについて、知的・人的エネルギーを注ぐことが可能になります。

また、文書整理に当たっていた人手の何人かが省力化できますので、本当に人手が必要な部署へ素早く厚くすることもできるでしょう。

こうした見方から考えれば、ニセコ町の行財政改革は、地方公共団体ばかりでなく、組織の非効率化に悩む企業にも良きサンプルになるのでは?


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Posted by 宮平栄治 at 09:43│Comments(0)沖縄経済学
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