2008年06月08日

第318回 医療関係者が安心して働ける環境

 病気になった際にお世話になるのがお医者さん、看護師、薬剤師などの医療関係者です。

 産婦人科医や小児科医、看護師不足が声高に話されていますが、職場を去る原因は待遇ばかりではないようです。

 どうも理不尽患者の存在が見え隠れします。

 6月7日(土曜日)の『読売新聞』の「患者の暴力・暴言で退職した医療関係者、東京では273人」という記事がありました。

 詳細は次のホームページをご覧下さい。

 「http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080607-OYT1T00400.htm

 病気になると、気分が悪かったり、思い通り症状が軽減しなかったり、また、医療サービスと料金の面の乖離でイライラするのは分かるのですが、医療関係者へ暴言や暴力はもってのほかです。

 患者さんの命を預かっている医療関係者の方々には、可能な限り治療以外の煩わしさを無くし、治療に専念できる環境を整えるのが医療機関に加え、患者側の努めです。

 なぜなら、医療関係者が治療以外の事で悩んだり、傾注できない場合は、医療過誤の確率も高まるばかりか、読売新聞の記事にもあったように職を辞する一因にもなります。

 似たような事例として客室乗務員に対する迷惑乗客の一件がありました。

 その対策として、航空法を改正し、機内での携帯電話操作、暴言やセクハラなどを行った乗客に対して、警告の上、それでも止めない場合は機長の判断によって搭乗を拒否等の措置が講じられるようになりました。

 理不尽患者が増えると、航空法改正のような法的強制力も必要になるかもしれません。

 迷惑乗客、理不尽患者、理不尽親、経済的能力がありながら給食費を支払わないなど信義誠実の原則に反するニュースが耐えません。

 今一度私たち自身の行状を見直し、相互に気持ちよく暮らせる社会とは何かを考える必要があるといえるでしょう。


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Posted by 宮平栄治 at 08:49│Comments(2)沖縄経済学
この記事へのコメント
『お客様は神様です』という言葉がありますが、神様だから何をやっても許されるという態度のお客様は困り者ですよね。

高級レストランならばその場所に相応しくない服装なら入店拒否ですし、講義を受ける態度が悪い学生には単位は与えられないし、お金を返せない債務者には法的手続きで対応するし、、、。

サービスを受ける者にもそれなりの態度が必要ということが大切だと思いますが、権利の主張ばかりする理不尽な神様や、度を超した悪質なクレーマーが増えているのは残念なことです。
Posted by 仲本 at 2008年06月09日 19:26
確かに現状はそうですね。でも双方の問題は解決困難だと思います。
医者側では開業医と勤務医の差:たとえば患者を選べる、選べないの問題、救急対応するか、しないかの問題、報酬の問題などで今回のケースは総合病院などの勤務医が多いのではないでしょうか。特に産婦人科では子供ができてからの生活習慣を生まれてくる子供のために変えなければならないのに飲酒や喫煙などでダメージのある子供が生まれてくる確率が高いようです。そう言う親に限って訴訟騒ぎになるみたいです。また小児科に至ってはもう少し子供の体を知るべきだと思います。いつもと違うだけで観察して相談室に確認もせず救急車で駆けつけることがほとんどのようです。と言っても私も馬鹿親で今8ヶ月の娘が入院しています。そして私の妻は産婦人科の勤務医。大変です。当直あり、オンコールで土日は何処へもいけません。子供の保育園への送り迎えは私です。そんな私は名護市で事業開始して1ヶ月。妻子を呼んで妻には医師として働いてもらえる環境があるのか。やはり心配です。
Posted by カワニシ at 2008年06月11日 16:51
 
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