2005年02月11日

第26回:就職活動と沖縄ブランドの共通点は?

 2月7日(月)、8日(火)、チャイルドフッド社主催の来春、大学・短期大学・専門学校を卒業する学生向け合同企業説明会へ行ってまいりました。2日間で約2,000名を超える学生で会場は熱気に溢れ、一人でも多くの有望な人材を確保しようと各企業の担当者は声を嗄らしながら説明していました。

 この時期、来春、卒業者向けの合同企業説明会は沖縄では初めてです。その目的は沖縄の学生は公務員志望が多く、そのため、企業側も公務員試験が終わる8月頃、ようやく来年度の採用予定を発表する傾向があります。東京では、年明け前後、就職活動が始まりますから、沖縄では8ヶ月遅れとなるわけです。そのため、学生は志望する企業に残念ながら不採用となった場合や何が就職に至らなかったのかの見直しに遅れた場合、その時点で卒業が目前、あるいは、既に卒業という事態となることは第3回の沖縄経済学会のシンポジウムのコラムで説明致しました。「ならば、就職活動を早めてみよう」とチャイルドフッド社の中元社長の企画で始まったのがこの合同企業説明会です。

 私が拝聴した参加企業の代表者、就職担当者および内定した学生さんが異口同音に述べていたことは、採用したいあるいは採用に至った学生の着目点が 4つあり、第1点目は学生生活で思いっきりやり遂げたこと、悔しかったことなど自分史を描く事、第2点目は自分の長所が各企業においてどのように活かすことができるのか、あるいは貢献できるか等のように自己分析と企業分析ができている事、第3点目は以上の2点を相手の琴線に触れるように自分の言葉で語れる事、第4点目は失敗しても失敗原因を分析し、次に活かせる冷静さとタフさを養うことでした。

「800店舗と80店舗」

 この数字の意味は、800店舗が関東にある沖縄料理屋の数、80店舗が札幌にある沖縄料理屋の数だとか。昨年末、杉並区の高円寺にある沖縄料理屋の老舗を訪問した際、女将さんがおっしゃるには、東京では営業不振が続く料理店でも、“沖縄料理”という看板を出せば、たちまち、黒字経営になるほど沖縄ブームであるとか。

 しかし、ブームの後にはバースト(破裂、崩壊)があるのが世の常。その女将さんの言葉に寒気を感じましたのは東京の寒空のせいではないと思います。

 沖縄ブームが終焉しないように、私たちベンチャーや沖縄ブランドの関わる者は、就職活動を開始し始めた学生さんと同じように、沖縄の有形・無形の様々な特性を再検討し、それらをどうすれば私たちの暮らしがさらに豊かに、潤いある生活ができるように活かせるのかを分析し、そして、必要としている人々に伝え、安易に模倣できないような仕組みを築く必要があるのではないでしょうか。


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Posted by 宮平栄治 at 00:00│Comments(0)沖縄経済学
 
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