2005年08月05日

第51回「えッ、そんなのアリ!」

今日のコラムは、ちょっと信じられないお話を三編お話いたします。皆さんの周りでもこんなことはありませんか。

その壱

ある、会議終了後、東京からオキナワ病の友人、Hさんと泡盛を飲むことになり、宿泊先の那覇市内の某老舗ホテルのフロントに電話しましたが、私の携帯電話の電気的な乾いた呼び出し音が空しく耳元で響くだけでなかなか担当者がでません。そこで、電話帳にあったもう一つの電話番号へ。つながりました。担当者に友人の名前をつげ、部屋へ取り次いでくれるようお願いすると、申し訳なさそうに「済みません、この電話から他の部署へ転送できないんです。」「えッ~っ!」と私は絶句してしまいました。「今時、転送できない電話設備を使って、お客様をお迎えできるなぁ」と疑問に感じました。

仕方がないので、再度、フロントへ電話し、対応した担当者の方に友人の部屋への取り次ぎをお願いすると、友人が電話に出ないとのこと。そこで、ホテルに戻っているかを確かめてもらったら、「まだ、戻っていらっしゃいません」と回答がありました。「これが東京のホテルなら、最初にホテルに居るかどうかを確認するのになぁ」と考えてしまいました。

その弐

さて、ある自治会で自治会長(いわゆる区長さん)の交代があり、引き継ぎが行われたそうです。その際、会計帳簿を見てびっくり。支出はされているのですが領収書がありません。また、業務日誌もありません。その年度の監査人は、“しっかり”と監査したそうです。

この自治会では、自治会の住民から集められたいわゆる区費が何に用いられたかは、領収書がないので分からないそうです。信じられないことに、領収書がなくても、支出を認める方向で調整中とのことです。

この杜撰さの背景には、この自治会は古い集落のため、長年、馴れ合いで自治会長を決めていたそうで、また、その問題点を指摘すると集落内で波風が立つのを住民が嫌がったと考えられますが、それにしても呆れますね。

その参

また、ある団体の監査を行った人が、帳簿を見て、帳簿の数字がエンピツで記載されていたそうです。その団体の最高意思決定機関である運営委員会へ出席できないため、もし、監査に関して質問があった場合、「監査委員として、帳簿はエンピツではなく、黒か青のペンかボールペンで記入すること」という指摘事項を伝えるようにお願いしたそうです。

結局、運営委員会では監査に関する質問はなかったそうですが、この団体の財務担当者は、監査員のこの行為に激怒したとか。「オイオイ、逆でしょう」と言いたくなります。この担当者は、監査を受ける理由が理解していないようですね。そのような人を財務担当者に任命した役員にも問題があります。

いわゆる、副業的・内職的家族経営→生業的家族経営→家族的経営から利潤・株価最大化、経営者の夢を実現するための効用最大化、従業員の生活を最大化、そして共同利益最大化を目的とした本来企業へ発展するには、丼勘定ではなく、利潤と配当金、賃金および役員報酬は明確に分離された会計基準が必要です。そうしないと、技術革新のための社内留保もままなりません。

どうも、組織や社会集団には課題や問題点が多いようで、このコラム等を利用しながら、“えッ”という呆れた話の数を減らし、“なるほど”“素晴らしい”を増やせたらと考えています。その前に、我が身を省みなくては…。


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Posted by 宮平栄治 at 09:15│Comments(0)沖縄経済学
 
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