2006年02月14日

第113回 「ギャンブル依存症対策」

この頃になると通勤途中にサトウキビを満載したトラックをよく見かけます。さぞ、サトウキビ農家は多忙の時期を迎えているものと想像します。

さて、今朝の朝日新聞のホームページをみると、パチンコ業界団体が、パチンコやスロットマシーンにのめり込んで止めたくても止められず生活破綻を果たす、いわゆる「ギャンブル依存症」の人のために相談機関を設けるという話がありました。詳細は、

http://www.asahi.com/national/update/0213/TKY200602130286.html

をご参照下さい。

さて、サトウキビとギャンブル依存症にはどのような関係があるのかといえば・・・

大学院の講義の合間に、院生の周囲で起こる出来事が話題に上ることがあります。今回のコラムの内容はあくまでその院生から伝聞であり、私自身で確かめたわけではことをあらかじめお断りしなければなりませんし、他人の楽しみについてとやかく言うつもりもありませんが、今回の記事についてコメントします。

私の勤める大学周辺にもパチンコ店などの遊戯施設がありますが、ある院生が農閑期になると決まって遊戯施設の周りに昼間から子供達がいるそうです。不思議に思って尋ねたところ、周辺の離島から親と一緒にやってきたとの事。その親は、泊まりがけでパチンコやスロットに興じている例もあるそうです。

さて、親が遊技で楽しんでいる間、子供達は放任。お腹がすくと施設内にいる親の所へ行き、お金をもらい、近くの店でお菓子など好きな物を食べているそうで、そのためかその院生曰く「同じ年齢の子供達よりも成長が遅いような気がする」。

また、その子供達が遊技店近くのスーパーマーケットで歩き回っているのを迷子と思った警備の人がその子と親の名前を聞き、店内放送で親を呼び出しても当然応答がありません。もしやと思い、遊技店に連絡すると親が現れたそうですが、子供に近づくなり、いきなりその子を殴るなどの例もあるとか、また、遊技店の店内ですっかりお金をすってしまった人に高利でカネを貸す人もいるとの噂も。

沖縄県内でもゲーミング(カジノ)構想で一頃はかまびすしい時もありました。この構想を持ち込んだ当のオーストリアや、あるいはドイツなどの諸外国では、依存症への喚起、予防、自己診断や予防を促す対策、一日に入場できる回数の制限、ATMを設置させない、あるいは、ギャンブル依存症リストを作成し、リストアップ者は入場させないなどを行っているそうです。

諸外国に比べれば、今回の相談機関の設置はようやくという印象を否めませんが、しかし、これを契機に身近なギャンブル依存症の人たちの救済になればと期待もせざるを得ません。

と同時に、ライブドアとニッポン放送との問題でも指摘しましたが、外国で流行っているからといって無条件に受け入れることは非常に危険です。どのような影響があったのか、そのための対策には何を行ったのかを把握し、情報を開示し、導入を決定すべきでしょう。

離島ブームといわれていますが、それはあくまでも離島以外に暮らす人々の発想であって、離島に暮らす人々のアミューズメント観にはズレがあるということでもあります。「豊かな離島の自然で楽しめば良いのに」と考えるのは離島以外に暮らす人々の思い上がりなのかも知れません。

今日もサトウキビを満載したトラックを眺めながら、美しい離島の自然とパチンコ・スロットの無機質さのアンバランスさについて考えさせられた記事でした。


同じカテゴリー(沖縄経済学)の記事
仙台で考えたこと
仙台で考えたこと(2012-09-09 20:16)

マニュアル人間
マニュアル人間(2012-07-16 06:05)

地酒購入断念
地酒購入断念(2011-12-11 18:27)


Posted by 宮平栄治 at 17:39│Comments(2)沖縄経済学
この記事へのコメント
宮平栄治 様

お久しぶりです。
4年間を、共に南灯寮で過ごしました前田です。
ご記憶にお有りでしょうか?
先日帰省の際に、南灯寮のHPがあるらしいと聞いて覗き見(すーみー)したら、何故か宮平さんのHPに行き着いてしまいました。
黙っていられず、メールする次第です。
先輩の活躍を拝見しまして、大変誇りに感じるところです。
小職は流れ流れて、広島に住んでおります。

至らぬ後輩ながら、今後のご活躍も、期待しております。

前田 裕信
Posted by 前田 裕信 at 2006年02月15日 02:34
前田 裕信君 お元気でしょうか?

1ヵ月ほど前には西筋君も私の研究室に来てくれました。

ところで、町田市にあるO大学の英文学学科を卒業後、何故、広島にいるのでしょうか?
Posted by 宮平栄治 at 2006年02月20日 14:05
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。