2006年02月24日

第116回 「たかがブランド されどブランド」

2月22日(水曜日)の沖縄タイムス紙の朝刊を見て、風邪でボッ-としている頭のもやもや感が一気に解消してしまいました。台湾で沖縄の物産を取り扱っている現地企業が、経済部知慧財産局へ“泡盛”の商標登録を行っていたことが報じられていました。

沖縄県内の泡盛業界が県外や国外へ本格化し始めようと意気込んでいる矢先に、冷や水を浴びせられた格好になりました。ブランドは、商品の売り上げを左右するばかりでなく、企業イメージであり、会社の顔でもあります。

泡盛に関して言えば、沖縄を代表する地域ブランドですので、関係者が懸念しているように、“泡盛”を称した粗悪品が出回ると、泡盛全体の評価どころか、沖縄の評価も下げかねません。

2月24日(金曜日)の沖縄タイムスの記事にもあるように、商標などの知的財産権を戦略的対応しなければ、同じようなことが、例えば、紅型などにも起こるでしょう。

さて、ブルボンというお菓子のメーカーをご存じの方も多いと思います。新潟県柏崎市に本社を置く菓子メーカーですが、ブルボンのホームページによれば、前身は、和菓子の老舗「最上屋」、それが大正13年に北日本製菓株式会社、昭和27年に北日本食品工業と社名が変更され、平成元年に株式会社ブルボンと三度目の社名変更。

北日本食品工業からブルボンへと漢字からカタカナへ社名が変身した理由は、一説によると“ブルボン”というブランドのお菓子が爆発的にヒットし、「北日本食品工業のブルボン」と言うよりも「ブルボンの北日本食品工業」と言った方が、セールスがやりやすかったからだとされています。

ところで、そのブルボン、平成17年3月期決算で、資本金が10.3億円、ブルボングループで4,200名の従業員、売上高が862億1,100万円の企業です。柏崎市の平成18年1月末時点での人口が9万4,321人ですから経済効果の大きさが推測されます。

お菓子メーカーといえば、沖縄にも、ちんすこうショコラのファッションキャンディーや紅いもタルトのお菓子のポルシェがあります。もし、この2社がブルボンのような規模まで発展すると従業員だけでも約9,000人が雇用されることになります。平成17年12月の沖縄県の完全失業者数が、5万2,000人ですから大きな雇用機会の創出といえます。

また、販売規模が拡大しますので、工場を建設しなければいけません。そうなると、空き地となっている工業団地にも日の目が当たる可能性が。

今回は、ブランドからお菓子の話へ、お菓子から全国展開へととおかしな方向へと話が進んでいますネ。

結論を述べますと、地方であっても、ブランドを大切にすることで全国展開できる企業が生まれる可能性があるということです。この事例はブルボンばかりではありません。北海道には“白い恋人”があります。

今月はバレンタインデーもあって、甘いコラムが多いのですが、地方から全国展開できる可能性を秘めた企業があるということです。そのための一要素としてのブランドの意味を考えてみてはいかがでしょうか?


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Posted by 宮平栄治 at 14:35│Comments(0)沖縄経済学
 
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