2006年04月03日
第127回 「沖縄のコミュニティ・ビジネスと地域ブランド」
3月28日(火)は、OVのSプロデューサーS氏、新Sプロデューサー氏、産官学連携担当で官側のC氏、および民側のS氏と共に、桜が満開の東京へ日帰り出張を行い、以前、報告しました博報堂エルダービジネス推進室長の坂本節郎さん、株式会社SOHO三鷹の関幸子さんと意見交換会を行いました。内容は、後日、報告いたします。
さて、本コラムで、コミュニティ・ビジネスや地域ブランドに概念や、沖縄県外の先進地事例をご紹介しましたが、今回は、沖縄におけるコミュニティ・ビジネスと地域ブランドづくりの実践をご紹介いたします。
さて、本コラムで、コミュニティ・ビジネスや地域ブランドに概念や、沖縄県外の先進地事例をご紹介しましたが、今回は、沖縄におけるコミュニティ・ビジネスと地域ブランドづくりの実践をご紹介いたします。
3月29日(水)の午後6時から、名桜大学大学院社会制度政策研究領域主催による第1回シンポジウムが、“名護・やんばる「コミュニティ・ビジネス」”というテーマで開催。
このシンポジウムは、本学大学院の修士課程を修了した院生が、自主的に開催したシンポジウムで、2年間、研鑽を積んだ内容を市民に公開し、社会還元を行うというのが目的です。
2006年度、無事、修士論文を作成し、最優秀賞を受賞した宮城良勝さんの修士論文、「沖縄県北部におけるコミュニティ・ビジネスの可能性」において、事例研究で取材した、6つの事例から3例を取り上げられました。
津嘉山酒屋保存の会から宮城調福さん、NPO法人「浅茅の里」から座波園子さん、農業生産法人有限会社勝山シークヮーサーから玉城健一さんがパネリストして、参加され、コミュニティ・ビジネスに至った背景、現状、行政や住民との連携のあり方について報告。
宮城良勝さんの修士論文の副査で、私の講義で何をやりたいか報告した際、「君のやりたい分野はコミュニティ・ビジネスだ」と方向付けをした関係上、私がコメンテーターを務めました。
宮城良勝さんの修士論文を査読する中で、事例研究の報告を読みましたが、実践者の生の声を聞く機会が得られ、現実感が増しました。
話が長くなりましたが、そんな背景があるシンポジウムから、本日は、勝山のシークヮーサーについて説明します。
名護市の勝山地区では、蘭などの花卉農業に携わっていましたが、ブームが去ってしまうと残ったのは借金だけとなり、過疎化が進行。そんな中で、4名の人たちが酒を酌み交わしながら、地区の行く末を議論したそうですが、ある時、村の三つの宝について長老の言葉を思いだしたそうです。
それは、自然風景としての嘉津宇岳、山羊、そしてシークヮーサー。
そのシークヮーサー、30年間、1㎏あたり50円で販売していたそうですが、その値段では、年金の足しになるくらいで、若い人が生活できず、そのため、産地が衰退する価格であったため、1㎏あたり200円に市場調査を行わずに設定し、それから、付加価値化を文字どおり“走りながら”考えたそうです。
具体的には、テストケースとして、ジュースとして糸満で搾り、勝山で瓶詰めにして販売したところ、黒字化の見込みがでたので現地での工場化を展開。その結果、生産量が300トンから600トンへと回復したそうです。
続いて、第二段階として、現在は、「地域ブランドづくり」を行っています。たとえば、2005年3月には「第1回シークヮーサー花香り祭り」の開催、2006年9月18日には『シークヮーサーの里 勝山』宣言を実施。このようなイベントを5年間行うそうです。
目的は、シークヮーサーの産地として地域ブランドを人々に刷り込むと同時に、地域から何らかの情報を発信することで、顔の見える産地を取材してもらい、パブリシティ効果を狙うという戦略。後は、地域ブランド認定をもらう段階まで到達しています。
このように沖縄県内には、コミュニティ・ビジネスと地域ブランドづくりを実践している方々がいらっしゃいます。そして、沖縄には地域ブランド化に資する地域資源が豊富に存在します。
コミュニティ・ビジネスから地域ブランドづくり、そして、地域ブランドづくりから地域産業へという環が、地域から沖縄全体へと“大きな環”となった時、地域の特性が活かされ、持続可能な個性ある“まちづくり”へと発展するでしょう。
このシンポジウムは、本学大学院の修士課程を修了した院生が、自主的に開催したシンポジウムで、2年間、研鑽を積んだ内容を市民に公開し、社会還元を行うというのが目的です。
2006年度、無事、修士論文を作成し、最優秀賞を受賞した宮城良勝さんの修士論文、「沖縄県北部におけるコミュニティ・ビジネスの可能性」において、事例研究で取材した、6つの事例から3例を取り上げられました。
津嘉山酒屋保存の会から宮城調福さん、NPO法人「浅茅の里」から座波園子さん、農業生産法人有限会社勝山シークヮーサーから玉城健一さんがパネリストして、参加され、コミュニティ・ビジネスに至った背景、現状、行政や住民との連携のあり方について報告。
宮城良勝さんの修士論文の副査で、私の講義で何をやりたいか報告した際、「君のやりたい分野はコミュニティ・ビジネスだ」と方向付けをした関係上、私がコメンテーターを務めました。
宮城良勝さんの修士論文を査読する中で、事例研究の報告を読みましたが、実践者の生の声を聞く機会が得られ、現実感が増しました。
話が長くなりましたが、そんな背景があるシンポジウムから、本日は、勝山のシークヮーサーについて説明します。
名護市の勝山地区では、蘭などの花卉農業に携わっていましたが、ブームが去ってしまうと残ったのは借金だけとなり、過疎化が進行。そんな中で、4名の人たちが酒を酌み交わしながら、地区の行く末を議論したそうですが、ある時、村の三つの宝について長老の言葉を思いだしたそうです。
それは、自然風景としての嘉津宇岳、山羊、そしてシークヮーサー。
そのシークヮーサー、30年間、1㎏あたり50円で販売していたそうですが、その値段では、年金の足しになるくらいで、若い人が生活できず、そのため、産地が衰退する価格であったため、1㎏あたり200円に市場調査を行わずに設定し、それから、付加価値化を文字どおり“走りながら”考えたそうです。
具体的には、テストケースとして、ジュースとして糸満で搾り、勝山で瓶詰めにして販売したところ、黒字化の見込みがでたので現地での工場化を展開。その結果、生産量が300トンから600トンへと回復したそうです。
続いて、第二段階として、現在は、「地域ブランドづくり」を行っています。たとえば、2005年3月には「第1回シークヮーサー花香り祭り」の開催、2006年9月18日には『シークヮーサーの里 勝山』宣言を実施。このようなイベントを5年間行うそうです。
目的は、シークヮーサーの産地として地域ブランドを人々に刷り込むと同時に、地域から何らかの情報を発信することで、顔の見える産地を取材してもらい、パブリシティ効果を狙うという戦略。後は、地域ブランド認定をもらう段階まで到達しています。
このように沖縄県内には、コミュニティ・ビジネスと地域ブランドづくりを実践している方々がいらっしゃいます。そして、沖縄には地域ブランド化に資する地域資源が豊富に存在します。
コミュニティ・ビジネスから地域ブランドづくり、そして、地域ブランドづくりから地域産業へという環が、地域から沖縄全体へと“大きな環”となった時、地域の特性が活かされ、持続可能な個性ある“まちづくり”へと発展するでしょう。
Posted by 宮平栄治 at 06:28│Comments(4)
│沖縄経済学
この記事へのコメント
はじめまして、今本と申します。
こちらのブログを拝見して私どもの一番の課題が見えました。
地域とのコミュニティから地域ブランドに・・・
地域ブランドになるための道が見えたようです。
今回のようなシンポジュウムは私どもでも参加可能でしょうか?
そのような機会があれば是非参加させて頂きたいと思いました。
こちらのブログを拝見して私どもの一番の課題が見えました。
地域とのコミュニティから地域ブランドに・・・
地域ブランドになるための道が見えたようです。
今回のようなシンポジュウムは私どもでも参加可能でしょうか?
そのような機会があれば是非参加させて頂きたいと思いました。
Posted by 今本智子 at 2006年04月17日 00:21
今本智子様
コメント頂ありがとうございました。
沖縄産紅茶の普及にご尽力に感謝申し上げます。
さて、シンポジュウムへのお問い合わせの件ですが、参加は大歓迎です。
ただ、今回は初めてのケースで、また、不定期で行われるため、こちらからの連絡ができるかどうかが課題です。
可能な限り、私のブログ等で告知を行いたいと考えていますので、その際は、是非、ご参加下さい。
コメント頂ありがとうございました。
沖縄産紅茶の普及にご尽力に感謝申し上げます。
さて、シンポジュウムへのお問い合わせの件ですが、参加は大歓迎です。
ただ、今回は初めてのケースで、また、不定期で行われるため、こちらからの連絡ができるかどうかが課題です。
可能な限り、私のブログ等で告知を行いたいと考えていますので、その際は、是非、ご参加下さい。
Posted by 宮平栄治 at 2006年04月18日 10:49
ありがとうございます。
来週は北部方面に出向きます。
ご都合がよろしければ琉球紅茶持参で、
一度ご挨拶に伺いたいと思います。
先生のご予定をメールでいただけると助かります。
来週は北部方面に出向きます。
ご都合がよろしければ琉球紅茶持参で、
一度ご挨拶に伺いたいと思います。
先生のご予定をメールでいただけると助かります。
Posted by 今本智子 at 2006年04月18日 22:53
今本さん
返事が遅れ申し訳ございません。
今期は、講義数が10講義あって、加えて、会議続きでなかなか対応が難しいのが実情です。
夏期休暇あたりでいかがでしょうか?
追伸
「沖縄タイムス」紙の記事を拝読しています。
返事が遅れ申し訳ございません。
今期は、講義数が10講義あって、加えて、会議続きでなかなか対応が難しいのが実情です。
夏期休暇あたりでいかがでしょうか?
追伸
「沖縄タイムス」紙の記事を拝読しています。
Posted by 宮平栄治 at 2006年05月05日 09:26