2006年08月25日

第159回 「インターンシップと商品高付加価値化」

沖縄県内では、本日、8月25日で大学生対象のインターンシップがほぼ終了します。

今日はそのため、午後から沖縄銀行さんでお世話になったインターンシップ生による「プロジェクト発表会」へ出席。

2週間という短い期間でしたが、支店や本店での実践教育の成果を“プロジェクト”という形で成果を報告していました。その内容は・・・

「琉國名館D」、「You i まーる」、「リアルコールズ」そして「おきぐすい」という大学が異なる4チーム、もちろん、2週間前は初対面だった即席チームが、「地域金融機関に求められるもの」という共通のテーマで、プロジェクトの内容、斬新さ、実行可能性から審査されました。

最優秀賞は、チームの「You i まーる」による沖縄銀行イメージ向上計画でした。各チームに共通しているのは、銀行という金融サービスに新たなサービスを付加するサービスのパッケージ化による高付加価値化戦略。

たとえば、インターンシップ生が幼少の頃、銀行での待ち時間が非常に退屈だった経験からその待ち時間の有効利用、これから潜在顧客となる若年者層への取り込みなどなど。

このような貴重な機会を与えて頂きました、沖縄銀行様はじめ、このインターンシップ事業へご協力頂きました各機関や、ご多忙中にもかかわらずインターンシップ事業へ携わって頂きました方々へこの紙面を借り、衷心より御礼申し上げます。m(_ _)m。

さて、若い学生が、将来の日本の高付加価値化への努力をふいにするような記事が朝日新聞のホームページに。

そのタイトルは、“偽ブランド品購入、成人の45%が容認 内閣府調査”というもの。詳細は、次のホームページをご参照ください。

http://www.asahi.com/life/update/0825/002.html

このコラムでも何度か取り上げましたが、人口減少がはじまっています。そうなると、国内市場は縮小しますから、海外市場への輸出圧力が高まります。

一方で、中国をはじめとするBRICsが、世界の工場化しつつあり、原材料や半製品を輸入し、国内で組み立て、海外へ販売するという日本と同じような経済構造です。そうなると経済では似たもの同士はライバル関係。どちらかが変化しなければ競争は激化します。

日本は、人口規模や国内市場規模では残念ながらBRICsには勝てません。そうなると、同じような産業構造では競争に負けてしまう可能性があり、安い原材料を単純に組み立て輸出する、という経済構造から、デザイン、意匠、機能、規格などの知的財産を基本とした高付加価値化戦略へと成長のエンジンを点火しなければいけなくなるでしょう。

そのような経済構造に迫られると仮定した場合、知的財産を侵害する「偽ブランド」を容認するとどうなるでしょうか?

国内では、知的財産や資産に対する保護がなされないのならば、企業や個人の成長意欲も萎えてしまうでしょう。

奇しくも今日、日本経済新聞のホームページに、“但木検事総長、経済犯罪への厳正対処方針を表明”が掲載されているのは偶然の一致ではないような気がします。

若い人々が、暑い夏に、熱く燃え、頭脳に汗した努力が私たち大人の軽率な行為で熱意を冷やさないよう、責任ある行動が必要です。


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Posted by 宮平栄治 at 22:07│Comments(0)沖縄経済学
 
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