宮平栄治の沖縄経済学会コラム

移民の島、ハワイでは、“沖縄県人の日”があり、その日にはホノルル市長はじめ、ハワイ州知事も主賓として参加するなど、沖縄県出身者のハワイにおける活躍ぶりは突出しています。たとえば、ハワイ大学の太平洋の島々の政治、経済、文化等を研究するイースト・ウェスト・センターでは、ロバート・仲宗根さんが沖縄特別プロジェクト局長という要職でご尽力なさっていますし、ハワイ大学の意思決定機関である評議員にも沖縄県出身者がいらっしゃいました。

さて、このようにハワイでの沖縄県出身者の活躍と結束力の強さについて、先述のボブ・宮平氏に尋ねました。同様の質問が他の県人会からもあるようで、ボブさんは、「他の県人会と比較して沖縄県人会が異なる点は、会合の時の女性の参加率である」と力説していました。

たとえば、沖縄県人会の会議では、参加者の約半数が女性であるのに対してK県人会やH県人会では女性の参加者がわずか数人。しかも、その女性が受付やお茶くみしかしていないとのこと。「K県人会やH県人会のようなやり方では、会は続かないよ」との指摘が成されていました。

女性の社会進出率や女性の社会進出への社会的寛容度等の条件がハワイと日本では異なりますので単純な比較はできませんが、参考になる経験的知識だと思います。

沖縄でも、11月6日（日曜日）に「女性起業塾　“美らの会”」の第一回勉強会が開催されたように、ウチナー女性の底力が発揮されそうです。今後ますます女性力に注視すると同時に、女性が参加しやすい環境を整える必要があります。

さて、ハワイ県人会での意見交換会を終え、沖縄県人会の施設で、草取りや樹木の剪定をなさっていた退職者の方々とお昼を頂きました。その席で、「最近の沖縄の若者、特に男が元気ないのはなぜか」と尋ねられました。

その時、調査をしていないので私の推測で、沖縄でも少子化で大事に過保護になっていることや、職業として親や教師が公務員を薦めることが遠因になっているのではと回答した所、お集まりの2世の方々は、「公務員、我々の親は医者や、弁護士や、教員になれとはいったけど、公務員になれとは決していわなかった」と口々に述べていました。

ハワイの沖縄県人会がハワイで市長や州知事をも招くことが出来るほどの影響力をもった背景には、1世の方々の勤勉さと2世の方々がさまざまな職種への進出があったこともあると思われます。

沖縄が今後発展する上で、沖縄の法律系、商学系、経済・経営系の学生の希望職種の第一位が公務員とあり続けるのも、そろそろ潮時かもしれませんネ。